著者
青木 弘枝 星野 奈生子 神田 明日香 崔 乘奎 手柴 富美 中村 光一 名和 宏樹 西城 卓也 今福 輪太郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.198-204, 2016 (Released:2016-12-26)
参考文献数
11

目的:本研究は,男女医学生がどのようなキャリア認識を有しているのかを検証した.方法:男女医学生16名に半構造化インタビューを実施し,データ分析はグラウンデッド・セオリーの分析手法に従った.結果:男女医学生が有する「ジェンダー観」,「興味・関心」「家庭観」の概念が,両者のキャリア認識形成に影響した.キャリア選択において,男子医学生は医学への興味・関心を一貫して優先し,医師職に従事することで家庭を支えると認識した.女子医学生は,低学年では「興味・関心」と「家庭観」との両立で葛藤しキャリア選択を決めかねる傾向にあったが,高学年では「家庭観」を重視する者と「興味・関心」を優先する者とに分かれた.考察:本研究で明らかになった男女医学生のキャリア認識は,男女共同参画社会の意義を理解する卒前教育の必要性を支持するものである.