著者
青柳 征夫
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.49-53, 2014 (Released:2019-10-31)
参考文献数
3

チェルノブイリNPP4号炉では約200tの核燃料の溶解によって発生したコリウムaとコンクリートの反応によって炉下区画bの鉄筋コンクリート床版が1,600℃に達する高温によって侵食された。しかし,これらが崩壊することなく,コアキャッチャーのような役割を果たし,溶岩状燃料含有物質を受け止め,更なる事故の拡大を未然に防ぐことができた。本稿では,コリウム・コンクリート反応の経緯とコンクリート構造物の損傷の状況をロシアで出版された報告をもとに解説した。