著者
青柳 美樹 髙山 裕子 多賀 昌江
出版者
日本産業看護学会
雑誌
日本産業看護学会誌 (ISSN:21886377)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.9-16, 2020 (Released:2020-11-17)
参考文献数
19

目的:夫の海外赴任に同行する妻の現地相談相手の有無と社会参加率の滞在期間別の比率の差と変化を明らかにすることを目的とした.方法:2016年と2017年にWeb調査を実施し,χ2検定または正確確率検定,CochranQ検定,McNemar検定を用いて差・変化を分析した.結果:1~3年未満群と5~10年未満群において,人との付き合い,特に日本人友人との付き合いは2017年に減少していた.一方で,相談相手のいる妻は増加していた.また,1~3年未満群では,2016年の社会参加率が他群よりも低かった.相談相手・社会参加ともにない妻,または夫との関わりのみの妻は両年とも10%を超え,同一者の傾向にあった.考察:社会参加や人との付き合いを縮小する期間,または関わりを持たない期間を有する妻が一定数いる可能性が推察された.妻が滞在期間中に孤立せず安定したメンタルヘルスを保つための継続的な支援方法を産業看護職は現地関係者と協働して検討する必要があると考える.