著者
青栁 寿弥 竹内 登美子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.2_151-2_161, 2017-06-20 (Released:2017-08-30)
参考文献数
20

病院で働く看護師が抱く認知症患者の対応困難な現状を踏まえ,本研究は,一般病院で働く看護師を対象として,教育内容の質が確保された「認知症高齢者のコミュニケーション法」のe-learning教材を開発することを目的とした。開発した教材は,動画やアニメーションを取り入れて臨場感を高めたこと,および実践に活かせるよう事例展開を組み込み,よくある誤り事例から考えさせる内容で構成し,教材と受講者とのインタラクティブ性を確保した点に特徴がある。看護師15名を対象として,開発した教材による学習効果を検討した結果,教材学習前より学習後の目標達成度伸び率が有意に上昇した(p< .05)。また,教材学習後の自由記述を質的帰納的分析した結果,「患者の隠れた思いに気づく」や「患者とのかかわりで得られた成功体験」等のカテゴリーが得られた。以上より,本研究における e-learning教材の質が保証された。