著者
青野 智子
出版者
文化経済学会〈日本〉
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.17-35, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
92

本稿ではアメリカ連邦政府の文化振興機関である全米芸術基金(NEA)の助成プログラムの歴史的変遷を分析し、特に、新しい文化の創造の奨励・促進が公的助成によって実現するという展望が1990年代前半に断たれていった過程を明らかにする。NEAの挫折は、芸術の権威の衰退現象と関連しており、新しい創造を奨励・促進する文化政策を公共政策として今後拡充してゆくためには、芸術的権威に依存しない形で達成する途を模索する必要がある。
著者
青野 智子
出版者
文化経済学会〈日本〉
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.51-64, 2003

アメリカ演劇と言えば従来、ブロードウエイのミユージカルやオフ・オフ・ブロードウエイの実験演劇等が関心を持たれてきたが、今日のアメリカ演劇文化の一翼を担うもう一つの主要な演劇カテゴリーとして、リージョナルシアターが存在している。本稿においては、1960年代後半から1980年代までの、リージョナルシアターにおける上演作品の変化を分析することで、当初ブロードウエイから独立した演劇活動を目指したリージョナルシアターが、ブロードウエイを中心とした、演劇作品の全国的な生産・流通構造の中に組み込まれてゆく過程を検証する。