著者
内藤 博愛 朝倉 淳 神山 貴弥 須本 良夫 樽谷 秀幸
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.37, pp.325-330, 2008

本年度は, これまでに蓄積されてきた研究成果を踏まえて, 生活科学習において「キャリア」という視点からの単元開発の可能性について研究を進めた。そのために, これまで同様, 提案授業を基に協議・考察をしていった。本年度は広島大学附属東雲小学校の須本良夫教諭の実践「小さな先生登場」を基にしたキャリアを視点とした生活科の単元開発の可能性について協議した。須本実践では, 「見て分かる」だけではなくて「実際にさせて分からせる」という過程を大切にすることがその特徴であり, 大いに示唆に富むものであった。実際に先生の仕事をさせることで, 子ども達は嬉々として活動に取り組みながらも, 目には見えない先生達の仕事(大変さや喜び等)に気付くことができた。具体的な活動を通して思考するという発達の過程にある低学年の子ども達との学習において, この単元作りの視点は, 生活科の他の学習内容においても今後, ますます大切にされなければならないということが協議において明らかになった。