著者
町田 拓 須田 竜一郎 西村 真樹 柳澤 真司
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.19-24, 2020 (Released:2019-12-26)
参考文献数
19

【緒言】フルニエ壊疽に対する電気メスによるデブリードマンは迅速性に欠け,組織選択性は低い.Hydrosurgery System(以下HS)は高圧水流を利用したデブリードマンを行う技術である.また,局所陰圧閉鎖療法(Negative pressure wound therapy:以下NPWT)は,解剖学的理由から本症に対して施行されることは少ない.【症例】56歳男性.主訴:発熱・会陰痛・意識障害.身体所見より重症フルニエ壊疽と診断し,HSを用いたデブリードマンを行った.会陰創に対しNPWTを行ったのち第29病目に植皮術を施行し,第48病日軽快退院となった.【結語】本症に対し,HSを使用し,迅速かつ組織選択的なデブリードマンが施行可能であった.また,HSに続いて行ったNPWTでは,植皮術までのwound bed preparationとして安全であり,施行中のQOLも良好であった.