著者
宮崎 瑞明 頼 栄祥
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.813-818, 1997-03-20
被引用文献数
5

発作寛解期での防己黄耆湯証の痛風患者(全例男性, 12人)に対し, 食事療法と運動療法はこれまで通り継続して, 防己黄耆湯エキス5g/日, 木通エキス0.5g/日, 車前子エキス0.5g/日を投与し, その有効性を検討した。本方の12週間の投与により, 有意な体重の減少, 血中尿酸値および中性脂肪値の低減, さらにHDLコレステロールの増加を認めた。体重および血中尿酸値は24週間投与の時点でも再増加せず, 良好な状態であった。全例に副作用はなく, 痛風の発作もみていない。また本方の連用により易疲労感, 多汗, 小便不利, 浮腫などの症状が改善した。