著者
風間 祥光 棟方 渚 畑 雅之 松原 仁
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2016-GI-36, no.19, pp.1-7, 2016-07-29

人狼ゲームは思考・推理・戦略を必要とするゲームである.近年では将棋やチェスなどの完全情報ゲームの研究はかなり進んでいるが相手の状況に関する情報を不完全な形でしか把握できず,会話によってゲームが進行するような不完全情報コミュニケーションゲームの研究は現在あまり進んでいない.本研究では不完全情報コミュニケーションゲームである人狼ゲームを対象に,プレイヤーの心理状態が発言内容に影響を与えるかを分析するためにゲーム中のプレイヤーの SCR(Skin Conductance Response) を調べた.またゲーム中の議論を書き起こし,SCR を発現している前後の時間の発言を分析した.結果として,疑いを向けられる発言を受けた時,人狼プレイヤーが SCR を発現した.このことから人狼プレイヤーに心理的な刺激を与える発言の種類や状況が推測できた.またそれによって心理的な刺激を受けたプレイヤーの発言内容にも影響が出ていることが示唆された.
著者
風間 祥光 畑 雅之 松原 仁
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2018-GI-39, no.16, pp.1-8, 2018-02-23

近年,完全情報ゲームの研究はかなり進んでおり,不完全情報ゲームの研究においても,一部のゲームではコンピュータがトッププロに匹敵する強さとなるなどの成果を収めている.しかし,コミュニケーションを必要とする人狼ゲームの研究はまだあまり進んでいない.本研究では不完全情報コミュニケーションゲームである人狼ゲームを対象に,ゲーム内で行われる議論での行動がプレイヤに与える影響を調べた.結果として,各役職のプレイヤごとに情動反応を示す発言の種類が示された.それによって,各役職のプレイヤの思考過程の一部が明らかになった.