著者
辻村 祐香 西村 さなえ 飯島 彩花 小林 礼奈 宮島 直子
出版者
看護総合科学研究会
雑誌
看護総合科学研究会誌 (ISSN:1344381X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.3-9, 2020-03-31

本研究の目的は,サージカルマスクの着用の有無による笑顔度の相違を異なる笑顔度において調査することであった。対象者はA大学の日本人看護学生75名であった。対象者は,同一人物の10種類の顔写真を見て,笑顔度を0%(笑顔なし)から100%(満面の笑み)で判定した。提示された10種類の写真は,笑顔測定器で0%,25%,50%,75%,100%と評価された顔写真,およびそれらをサージカルマスクと合成した顔写真であった。顔写真は,アトランダムに1枚につき10秒間提示した。結果として,笑顔度100%の顔写真を除きサージカルマスクの着用の有無で有意差を認めた。笑顔度が25%,50%,75%の場合,サージカルマスクの着用により,10~20%程度低い笑顔度で受け取られることが確認された。調査結果からサージカルマスク着用時に笑顔による肯定的フィードバックをする場合には,笑顔度を高めるか,他のコミュニケーション・チャンネルで補う必要が示唆された。