著者
飯田 俊穂 熊谷 一宏 細萱 房枝 栗林 春奈 松澤 淑美
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.945-954, 2008-11-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
19

動物とのふれあいが人によい効果をもたらすことは知られている.特に子ども・障害者・高齢者などによい効果をもたらすことが新聞,雑誌などで取り上げられており,不安やストレスの軽減効果が示されたとの報告や,ペットといるだけで精神状態が安定し自然治癒力が高まるなどの報告もある.そこで今回われわれは,学校不適応傾向の児童・生徒に対するアニマルセラピーの心理的効果についての分析を試みた.結果として3回以上のアニマルセラピーで,Profile of Mood States(POMS)(緊張-不安,活気,疲労,混乱),AN-EGOGRAM(NP,FC,AC)に有意な変化を認めた.POMS(抑うつ-落ち込み,怒り・敵意)の値は低下,AN-EGOGRAM(CP,A)の値は上昇したものの有意差は認めなかった.以上のことより,アニマルセラピーを3回以上施行した症例に対し,心理状態(緊張-不安,活気,疲労,混乱)の改善,自我状態の安定傾向を認めた.
著者
飯田 俊穂 熊谷 一宏
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.44-52, 2000-03-31
被引用文献数
2

高血圧の治療目的は, 高血圧による臓器障害の予防と患者のQua1ityofLife(QOL)の向上にあると言われている.また, 医療環境における随時血圧は高血圧の範疇に入るにもかかわらず, 家庭など非医療環境下で正常血圧である一群は白衣高血圧として広くその概念が知られている.第6次米国高血圧合同委員会報告(1997)では, 非薬物療法の一つとして精神緊張緩和療法[リラクセーションまたはバイオフィードバック療法(BF療法)]を取り上げている.そこで今回, 心因の関与の立場から臓器障害を認めない白衣高血圧にBF療法を導入し, 7年以上長期観察することで臓器障害の予防・QOLの向上にBF療法が効果があるかどうかを検討した.BF療法を20回以上施行した72例のうち7年以上長期観察し得た37例を対象に臓器障害の出現の有無で2群に分け比較した.4年時までは両群とも外来時血圧, 血中カテコラミン値(CA)の有意の低下, 愁訴の改善を認めBF療法は有効であった.しかし, 7年時において臓器障害の出現した群は, 外来時血圧, 不安尺度, CA値の上昇を認めた.白衣高血圧の長期予後からみたBF療法導入の適応は, 愁訴を多く認め, 不安尺度が高値で, α波の基本出現率が50%以上の高値例には積極的に考慮でき, 効果判定には, 外来時血圧の低下だけでなくα波出現率(随意制御)やα波出現の予想的中率(弁別)も加える必要が示された.経過観察には, 外来時血圧, CA値, 不安尺度, α波出現率・予想的中率の推移をみることが示された.
著者
熊谷 一宏 飯田 俊穂
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究
巻号頁・発行日
vol.28, pp.47-53, 2002
被引用文献数
1

本研究は,効果的にバイオフィードバック療法(以下BF療法)を導入するために,呼吸法・イメージ療法を併用し,BF療法単独例の効果と比較検討したものである.心療内科外来にて,BF療法を20回以上終了した215例を対象に,BF療法単独例(A群),呼吸法・イメージ療法併用例(B群)に分け,脳波上のα波出現率・α波出現の予想的中率の推移について検討した.A群ではα波出現率・α波出現の予想的中率の上昇傾向はあるものの有意ではなく,B群では両者ともに有意な上昇を認めた.また呼吸法・イメージ療法併用前後の比較では,併用前に比べ後の方がα波出現率・α波出現の予想的中率ともに有意な上昇を認めた.脳波によるバイオフィードバック療法は,呼吸法・イメージ療法を併用した方が単独で行うよりも,有効であることが示唆された.
著者
飯田 俊穂 熊谷 一宏 細萱 房枝 栗林 春奈 松澤 淑美
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.945-954, 2008-11-01
被引用文献数
2

動物とのふれあいが人によい効果をもたらすことは知られている.特に子ども・障害者・高齢者などによい効果をもたらすことが新聞,雑誌などで取り上げられており,不安やストレスの軽減効果が示されたとの報告や,ペットといるだけで精神状態が安定し自然治癒力が高まるなどの報告もある.そこで今回われわれは,学校不適応傾向の児童・生徒に対するアニマルセラピーの心理的効果についての分析を試みた.結果として3回以上のアニマルセラピーで,Profile of Mood States(POMS)(緊張-不安,活気,疲労,混乱),AN-EGOGRAM(NP,FC,AC)に有意な変化を認めた.POMS(抑うつ-落ち込み,怒り・敵意)の値は低下,AN-EGOGRAM(CP,A)の値は上昇したものの有意差は認めなかった.以上のことより,アニマルセラピーを3回以上施行した症例に対し,心理状態(緊張-不安,活気,疲労,混乱)の改善,自我状態の安定傾向を認めた.