著者
飯田 路佳 江藤 幹 大須賀 洋祐 辻本 健彦 清野 諭 大久保 善郎 大山卞 圭悟 田中 喜代次
出版者
公益社団法人 日本女子体育連盟
雑誌
日本女子体育連盟学術研究 (ISSN:18820980)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.19-27, 2017 (Released:2017-05-18)
参考文献数
29

本研究の目的は,体力測定や生理・生化学的指標から得られる 「活力年齢」 に着目し,中高年女性におけるリズム系運動がどのような健康増進効果をもたらすかについて,①BMIが25kg/m2以上の対象者(以下肥満群),②BMIが25kg/m2未満で明らかな疾患がない対象者(以下一般群),③リズム系運動習慣者(以下ダンサー群)の3群間において,活力年齢およびその構成要素を比較することにより,リズム系運動習慣者の健康体力水準の違いを明らかにすることとした。活力年齡は包括的健康度の指標として,健康と体力に関連する多項目(全身持久性体力,敏捷性,バランス,血圧,血中脂質,腹囲,肺機能など)から推定される。対象は,肥満群(平均年齢62.0±3.9歳)24名,一般群(平均年齢62.4±4.8歳)28名,およびダンサー群(平均年齢63.8±5.3歳)21名であった。ダンサー群の活力年齢(54.5±7.4歳)は,肥満群(67.6±4.6歳)および一般群(62.6±8.1歳)よりも有意に良好な値を示した(P<0.05)。このことから,長年にわたり日常的に,ダンスに代表されるリズム系運動を中心とした身体活動を継続していくことの有益性が認められた。