- 著者
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首藤 若菜
- 出版者
- 社会政策学会
- 雑誌
- 社会政策 (ISSN:18831850)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.1, pp.152-164, 2013-10-30 (Released:2018-02-01)
本稿では,男女がともに仕事と生活を両立させながら職業生涯を通じて働き続けられる社会をどう構築できるかについて,3つの文献を取り上げて議論する。日本で男女の経済格差がなかなか縮小しない要因は,企業,家庭,社会経済制度が女性の就労継続を妨げる方向で,相互依存的に存在しているためである。本稿では,この問題意識のもと,まず家庭内性別分業と女性の働き方の変化を国際比較した研究と日本の社会制度を男性稼ぎ主モデルの視角から分析した研究を紹介する。両文献から,女性の就労を妨げることが,いかなる社会問題を生み出すのかを把握する。そのうえで,性に中立的な雇用のあり方として,同一価値労働同一賃金制度を提起した文献を取り上げる。いわゆる職務給型の雇用システムへの変更が,男女の賃金格差縮小や女性の就労継続を促進しうるかどうかを論じ,その可能性を探る。