著者
香阪 絵里 古市 徹 石井 一英 谷川 昇
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第17回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.405, 2006 (Released:2006-10-20)

近年、畜産経営の急激な大規模化により増大した家畜ふん尿の処理が困難になり、野積み・素掘りなどの不適切な管理が増えている。野積み等は、家畜ふん尿の河川への流出や地下水への浸透などにより水質汚染を招く恐れがあるため、早急な解決を図る必要がある。しかし、実際に家畜ふん尿が環境に与える影響は不明確な部分が多く、窒素汚染の因果関係に基づいた対策が求められている。そこで本研究ではA川の現地調査を基に、家畜ふん尿による河川・地下水の窒素汚染解析モデルを構築し、因果関係を定量的に示した。このモデルでは、土地利用に応じて家畜ふん尿が堆積された牧場敷地または堆肥が散布された牧草地から、表流水、地下水を経由して全窒素が流出すると考えた。結果、牧場敷地からも牧草地からも同程度に地下水経由で河川へ流出していること、表流水より地下水の方が河川水質形成の寄与が大きいことを示した。