著者
藤倉 まなみ 古市 徹 石井 一英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.II_177-II_188, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
42

建設発生土の不適正処理が続いており,自治体が残土条例を制定する動きも継続している.本研究では,その課題の明確化と対策の提案を目的とした.収集した不適正処理事例からリスク,経済的動機,現行法の適用限界,パターンを整理し,ISM法による構造モデル化により不適正処理が排出側の構造と受入地側の構造によることを示した.また神奈川県の2010年度場外搬出データを分析し,公共工事の建設発生土は民間工事に比べ,移動距離と搬出先数が有意に小さく,通達の効果があること,市町村の残土条例は,建設発生土の搬入に対して抑止効果も増加効果も認められないことを示した.都道府県の条例を比較検討し,循環型社会形成推進基本法を根拠として排出者責任を具体化する立法が必要であることを示し,そのための具体的な規制内容等を提案した.
著者
武部 玲央 古市 徹 石井 一英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.II_301-II_312, 2013

本研究は,稚内市及び離島を含む計5地域からなる宗谷地域の生ごみとそれ以外の可燃ごみ中の紙・プラ・布・木くず(燃料ごみ)の両方を対象とし,(1)既設バイオガス施設利用とごみ燃料(RDF)化施設の新設による地域循環圏シナリオを構築し,(2)コスト,リサイクル率,最終処分量を評価軸とし,現状の焼却施設更新シナリオと比較した場合の改善効果を解析し,実行可能な地域循環の構築例を示すことを目的とした.生ごみについては利尻・礼文島からコンテナ–フェリー輸送で稚内市の既設バイオガス化施設に運搬し,燃料ごみについては全ての地域からコンテナ輸送(またはコンテナ–フェリー輸送)し,稚内市で集中的にRDF化し,旭川市の既設製紙工場で利用するシナリオの改善効果が高いことを示した.
著者
福本 二也 古市 徹 石井 一英 蛯名 由美子 花嶋 正孝
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.101-110, 2000-03-31
被引用文献数
1

近年, 最終処分場の建設が, 地下水汚染への不安, 立地選定への疑問, そして事業主体への不信感等を抱く住民の反対により困難になっている。その対策の一環として, 平成9年の法改正により生活環境影響調査および調査結果の住民縦覧が義務づけられた。しかし, 生活環境影響調査だけでは問題の解決にはならず, さらなる情報公開と計画への住民参加が望まれている。本研究では, 中立的な立場において, 地形地質条件に着目した立地選定手法を現実の処分場立地事例に基づき構築し, さらに住民参加を取り込んだ立地選定プロセスのシステム化を行う。さらに別の住民反対が生じた立地選定事例を通じて, 本プロセスの構成方法と有効性を検証した。その結果, 立地選定を行い, 同時に適切な情報公開や説明会等の住民参加を行うことが, 情報公開不足によって生じる住民反対, あるいは住民反対の拡大を予防し, 住民理解の促進に資することを示すことができた。
著者
香阪 絵里 古市 徹 石井 一英 谷川 昇
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第17回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.405, 2006 (Released:2006-10-20)

近年、畜産経営の急激な大規模化により増大した家畜ふん尿の処理が困難になり、野積み・素掘りなどの不適切な管理が増えている。野積み等は、家畜ふん尿の河川への流出や地下水への浸透などにより水質汚染を招く恐れがあるため、早急な解決を図る必要がある。しかし、実際に家畜ふん尿が環境に与える影響は不明確な部分が多く、窒素汚染の因果関係に基づいた対策が求められている。そこで本研究ではA川の現地調査を基に、家畜ふん尿による河川・地下水の窒素汚染解析モデルを構築し、因果関係を定量的に示した。このモデルでは、土地利用に応じて家畜ふん尿が堆積された牧場敷地または堆肥が散布された牧草地から、表流水、地下水を経由して全窒素が流出すると考えた。結果、牧場敷地からも牧草地からも同程度に地下水経由で河川へ流出していること、表流水より地下水の方が河川水質形成の寄与が大きいことを示した。
著者
巽 正志 西田 憲一 岩出 義人 谷口 初美 福田 和正 古市 徹 秋永 克三 吉岡 理 大熊 和行
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.268, 2010

三重県桑名市の不法投棄現場は有機溶剤系の廃棄物が多く投棄されており、それらVOCを含む汚染地下水が周辺に拡散したサイトである。そのサイトでは、2002年度から遮水壁による汚染物質の囲い込みおよび揚水循環浄化法により環境修復事業を実施している。その経過については既に本学会で発表した。今回は、高濃度汚染除去後に微生物分解による減衰を低濃度汚染残留地の浄化に採用するため、三重県では微生物叢によるモニタリング方法、および微生物分解によるVOC汚染浄化の調査研究を行っており、これまで行った試験結果について報告する。 クローンライブラリー法により汚染サイトの土壌等の菌叢調査を実施した。VOC含量の高い土壌中ではAciobacter sp.の存在比が高かった。また、現場地下水にVOCを添加した系でベンゼン、トルエンの微生物分解試験を行った結果、約50時間で分解された。
著者
香坂 絵里 古市 徹 石井 一英 谷川 昇
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第19回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.274, 2008 (Released:2008-11-25)

本研究では、牛ふん尿に起因する河川と地下水汚染を推測するための流域内窒素収支モデルを構築する。そのために、対象領域内の土地利用(牧草地と牧場敷地)に応じた実際の窒素負荷量を推定するために現地調査及びヒアリング調査を行った。これら調査結果に基づき、対象流域をメッシュに分け、各メッシュ毎の水と窒素収支バランスを考慮し、3ヶ月平均と河川と地下水の全窒素濃度を推測した。以上の結果、(1)堆肥の野積みは、地下水窒素汚染に非常に大きな影響を及ぼすこと、(2)ふん尿の草地への大量還元(例えば25t/10a)により、地下水中全窒素濃度が上昇すること、その傾向は、特に春先の雪解け時顕著に見られることが明らかとなった。本モデルは、地下水中窒素濃度低減のための流域内の適正な家畜ふん尿の管理方策を検討するためのツールとなりうることを示した。