著者
馬 立秋
出版者
国立研究開発法人放射線医学総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

先行研究では両下肢にがん細胞を移植した担癌マウスを用いて、炭素イオン線の局所照射によって遠隔に存在する照射されていない腫瘍からの転移の抑制が認められた。本現象の一般性を確認するため、癌腫またはマウス系統を変えて同様な実験を行い、転移抑制が認められた。しかし、両下肢にがん細胞を移植した担癌ヌードマウスの片足のみに炭素イオン線照射を行ったが、遠隔腫瘍由来の転移の抑制は認められず、本現象が免疫応答を介したことが明らかになった。また、光子線も炭素イオン線ともに、照射による遠隔腫瘍からの転移抑制が認められた。この結果より、炭素イオン線以外の放射線でも照射による遠隔腫瘍からの転移の抑制が誘導される。