著者
大平 剛 馬久地 みゆき
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

アメリカザリガニの造雄腺ホルモンをコードするcDNAを単離し、アメリカザリガニ造雄腺ホルモンのアミノ酸配列を明らかにした。次いで、アメリカザリガニ造雄腺ホルモンを化学合成した。そして、合成造雄腺ホルモンを、アメリカザリガニの近縁種で単為生殖する全雌のザリガニ(以下、ファラクス)に週1回の頻度で14回注射した。注射を開始してから20週目に雌性生殖孔が消失し、第1腹肢が雄性化したファラクスが見出された。生殖腺を観察したところ、精巣と輸精管が確認された。その個体の生殖腺を組織形態学的に観察したところ、精原細胞や精子形成が確認された。ホルモン処理による完全な性転換の誘導は、本研究が世界最初の例である。