- 著者
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馬依拉 阿夏木江
比屋根 哲
山本 清龍
- 出版者
- 農村計画学会
- 雑誌
- 農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, pp.317-322, 2014
- 被引用文献数
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近年,中国の経済は著しく発展したが,都市と農村の経済格差は拡大している。そのため中国政府は,経済発展が遅れている農村や少数民族が暮らす辺境地域において「生活を向上させるための手段として,観光開発による産業振興が最も効果的な施策であると判断し,その施策を現在推し進めているとしている。本研究の対象地である新疆ウイグル自治区(面積166.49万km2,人口約2180万人。年平均気温約10℃,年間降水量約300mm。以下,新疆と略記)には,草原や砂漠に代表される自然・農地景観とシルクロード等に関わる歴史・文化景観が存在し,観光資源に恵まれている。これらの観光地の多くは,少数民族が生活する農村部や辺境地域に立地する。新疆の観光業は1978年から始まり,35年以上の歴史があるが,まだまだ発展途上にあり,とくに農村部等での観光振興が重要な課題となっている。観光振興のためには,魅力的な観光地の整備とともに,多くの旅行者を迎える方策が重要であるが,そのためには旅行者が持つ旅行に対する価値観を理解し,旅行者の意向に即した対応が重要と考えられる。本研究は,岩手大学の学生を,将来,海外旅行に出かける可能性を持つ日本の若者と位置づけ,将来,新疆ウイグル自治区に多くの日本人旅行者を呼び込むための基本的な知見として,彼らの海外旅行に対する価値観の一端を明らかにしようと試みたものである。