- 著者
-
馬場 宏之
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.67, pp.22_2-22_2, 2016
<p> 沢松奈生子選手は、曽祖父からのテニス一家として生まれる。祖父は、日本ランキングプレーヤーで名コーチ、両親はともにウィンブルドンで戦った経験のあるトップテニスプレーヤー。叔母は1975年ウィンブルドンダブルスに優勝された沢松和子さん。そのような環境の中でテニスを早くから始められ、父親の転勤に伴い、5才から10才までドイツで過ごし、テニスも現地の州ジュニア大会に優勝されるなどの活躍。帰国後、しばらくしての12才の頃から数年間、それまで指導されていた両親から私がテニスの指導に携わる。1988年、15才で全日本テニス選手権に初出場、初優勝という快挙を達成し、その後、海外に転戦、WTA世界最高14位までの道のりを歩む。沢松選手は、粘り強い精神力、ストロークの安定感、身体の柔軟性が強みで、日頃の練習の時から、精神的に集中すること、どんな体勢になっても安定してボールを打つことができる基本動作、怪我のしにくい柔軟性のある身体つくりの重要性を意識されてきた。トップへの道のりは、簡単なものではなく、「沢松家」というサラブレッドでありながら、そのプレッシャーも大変大きい中で、本人の地道な努力、そして色々なサポートが彼女をトップの座へ導いたものと思われる。そのあたりのことを述べたいと考えている。</p>