著者
森川 みき 市川 邦男 岩崎 栄作 伊藤 わか 在津 正文 渡邊 美砂 増田 敬 宮林 容子 山口 公一 遠山 歓 向山 徳子 馬場 實
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.46-53, 1995-03-25 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

アミノフィリン持続点滴療法を施行した2歳未満 (2カ月~23カ月) の乳幼児気管支喘息96例 (気管支喘息疑い, 細気管支炎を含む) を対象に, テオフィリンクリアランスに影響を与える諸因子について検討した. テオフィリンクリアランスは加齢とともに上昇し, 6カ月以下の児では7カ月以上の児に比較して有意に低値であった. テオフィリンクリアランスの単変量解析の結果, 下痢を合併する群に有意に低値であった. 発熱群, 嘔吐群ではクリアランスの低下が認められたが統計学的には有意でなかった. アイテムに性別, 月齢, 体重, 発熱, 下痢, 嘔吐の6項目を選択した多変量解析の結果, テオフィリンクリアランスに影響を与える重要な因子は, 月齢, 下痢, 発熱の有無であると考えられ, 低月齢, 下痢, 発熱を有する症例ではテオフィリンクリアランスが低値を示す傾向が認められた.2歳未満の児にアミノフィリン持続点滴療法を施行する際は, 血中濃度のモニタリングを十分に行い, 患児の月齢, さらに下痢, 発熱の有無について考慮する必要があると考えられた.