著者
毛利 光男 馬場 直紀 青木 陽士 平澤 卓也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.23-00045, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
19

本研究は,実機による枯葉剤ダイオキシン汚染土壌の実証試験において土壌洗浄の浄化性能を定量的に評価したものである.サイクロンによるダイオキシン除去率は67~87%(平均79.2%)であったが,後段のフローテーションによって除去率は91~97%(平均94.0%)へ大きく向上した.土壌洗浄によって16,000pg-TEQ/gまでの汚染土壌から住宅地(300),緑地・公園(600),商業地・工業地(1,200)のいずれかの基準を満足する浄化土を実際に産出できることを実証した.回収される浄化産物(浄化土+粗粒分)の割合は元土壌の59~74%(平均65%),濃縮残渣の割合は26~41%(平均35%)であり十分な減容化効果が認められた.濃縮残渣の濃縮倍率は1.3~3.8の範囲にあり平均は2.4であった.
著者
西田 洋平 香村 一夫 馬場 直紀
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第22回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.233, 2011 (Released:2011-11-07)

関東ロームを汚染水浄化資材として用いることを考え、その有効性を検討する為、21層準の試料に対しPb、Cd、As、Cr汚染溶液を用いた吸着能評価試験を行った。その結果、Pb、Cdなどの陽イオン形態で吸着をする元素では、全体として高い吸着能を示し、浄化資材としての有効性が期待された。また、その吸着特性は試料の層準や採取地点によらず、含有される粘土鉱物に依存することが推測された。As、Crなどの陰イオン形態で吸着をする元素では、陽イオンに比較するとその吸着量は極めて低く、その吸着量は土壌内のFe量に影響を受けることが推測された。本研究により、関東ロームがある程度の吸着能を有することが確認されたが、今後浄化資材としての有効性を議論するにあたり、複数元素による吸着特性や、粒度やpHなどの物理化学的性質を考慮した吸着特性の複合的解析が必要である。