著者
馬場 結子
出版者
淑徳大学短期大学部
雑誌
淑徳短期大学研究紀要 (ISSN:02886758)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.61-75, 2012-02-25

本稿は、ルドルフ・シュタイナーにおける子どもの音楽教育について、幼児の音楽教育を中心に考察するものである。シュタイナーは子どもの音楽的素養を見い出し、「音楽家としての子ども」という考えを表明した。子どもの身体においてはリズム機構が優勢であり、それは3歳から4歳の子どもが踊りを好むという傾向に示されている。また、この時期の子どもの心においては意志の作用が強く働くが、これはリズミカルな音を繰り返し聴くことによって育てられていくものである。シュタイナー幼稚園では、こうした点を考慮して幼児の音楽教育が行われている。幼児期の子どもの音楽教育の特徴は、子どもの本質を考慮して、音楽芸術よりも子どもを主体にしながら音楽教育を構成していくところにあるといえるだろう。ペンタトニック・スケールの楽曲や幼児オイリュトミーを推奨しているのはその表れであると考えられる。
著者
馬場 結子
出版者
淑徳大学短期大学部
雑誌
淑徳短期大学研究紀要 (ISSN:02886758)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.69-82, 2011-02-25

本稿は、ルドルフ・シュタイナーの幼児教育について考察するものである。シュタイナーは、子どもの発達を基盤にしながら幼児期の子どもの特質を明らかにした。そこから、彼は幼児教育の内容や方法を考察したのである。このなかで、シュタイナーは、大人と子どもの関わりについて「模倣と模範」の論理を示しながら、幼児期の子どもが模倣によって学ぶこと、そのため大人(保育者)には模範的な態度が求められることを明らかにした。さらに、彼は、幼児の遊びには知的な要素ではなく、美的要素を重視して子どもの想像力を育むことを説いた。シュタイナー幼稚園ではこうしたことが実践されている。シュタイナーの幼児教育では、子どもの成長に合わせながら教育がおこなわれるのであり、子どもの立場を考慮した教育がおこなわれているといえるのである。