著者
二階堂 裕子 駄田井 久
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、日本の企業や地域社会で実施されている日本語学習活動を、外国人技能実習生をめぐる課題の解決策のひとつとして位置づけ、その意義を明らかにしようとした。得られた主な知見は、以下の通りである。第1に、企業が日本語学習や帰国後就労の支援に尽力している場合、日本での就労経験に対する技能実習生の満足度は高い。第2に、帰国後、日本で修得した技能や日本語能力を活用して再就職できた元技能実習生の場合、来日前よりも職業的地位が上昇する傾向にある。一方、経験と能力に見合った就職先のない人も多い。第3に、過疎化が進む中山間地域で、地域住民と積極的に関わった技能実習生は、日本語の能力を高める傾向がある。