著者
高尾 澄江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.188-194, 1970

調和についての判定要約は下記の如くである。<BR>1. スタンディングカラーは長頸タイプと調和する。これは第2報で報告したが、短頸でも撫肩のタイプでは、衿を全体に深くつけ、頸の露出度を多くするとこのタイプと調和する。短頸怒肩タイプでは、スタンド巾を狭くし、肩の傾斜が少ないため頸の側面でくるより、前で深くした方がより効果が出て調和し易い。頸付根大のタイブは、衿で頸の側面を覆うようにすると付根大が目立たず調和する。<BR>2. テーラードカラーなどのオープンカラーは一般にどのタイプとも調和し易いが、しかし折返りが上がり、頸に詰ると若さは表現できても、短頸、顔面大のタイプでは短頸、顔面大が目立ち不調和になり易い。又、詰った打合せの多いダブル前も前項と同じ結果となり、肥満タイプでは肥満を目立たせる。<BR>3. シャツカラー類については第2報で一部報告したが、衿高と頸肩部形態の関係は、1.のスタンディングカラーと同じである。頸付根大のタイプでは横に広がったオフネックは、付根大が目立ち衿を頸に添わせた方がタイブと調和する。<BR>4. ノーカラーの各型 (頸に詰った丸衿剖については第2報で報告ずみ) は、一般に、長頸タイプは頸に詰ったものとかボートネックラインは調和するが、痩型鎖骨の出たタイプでは、大きいスクエアネックラィンを着用すると、鎖骨がネックラインと平行して目立ち不調和であり、又、V型も深くすると不調和になり易い。反対に短頸、顔面大のタイプは、Vネックラインとか大きい衿葱は調和し易いが、頸付根大のタイプは、付根を露出したり目立たせるネックラインは不調和である。<BR>本調査にあたり多くのデザイン例による資料を用意したが、結果としては基礎的なもの及びそのバリエーションにとどめた。実物では、はっきり調和度の差が認められたものでも、写真特に白黒写真となると、調和度の差がさして認められないものもあり、又、写真のとりなおしを行なったため、比較写真の一部に髪型が変わっているものがある。今後は更に髪形とか色、年令などの関係も併せて課題として残される。