著者
中井 孝芳 高尾 諭司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.73, pp.15-22, 2001-05-18
被引用文献数
1

この報告では発声者自身がどのように知覚しているかについて述べている。我々はプロープマイクロホンにより外耳道から1cmの位置での音 (空気伝導音声) と、口唇から正面30cmの距離での音 (正面音声) を測定した。また、超小型加速度計で側頭骨の骨振動 (骨振動) を測定した。被験者は6から8名である。結果より, 高周波で空気伝導音声は正面音声に比べ 5から10dB 低いことがわかった。空気伝導音声を発声者自身に聞かせたところ. 自分自身の声に近いが低音が足りないことがわかった。骨振動は300Hzと700Hz付近にピークがあり、1kHz以上はノイズレベルであった。空気伝導音声と骨振動を加えると発声者自身の声に近くなった。この時性からも空気伝導が主な経路といえる。