著者
中井 孝芳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.319, pp.21-28, 1996-10-18
参考文献数
9
被引用文献数
1

深度300m相当のヘリウム空気と通常空気で発声したときの声門体積速度微分波形をLiljencrantsモデルによりシミュレーシヨンした. また, 実際の音声を用いて逆フィルタリングにより推定した. その結果, ヘリウム音声の声門体積微分波形は通常音声と異なることがわかった. それは, 声帯が開いているときはゆっくり変化し, 声帯が閉じたときに大きく変化する. 声帯が閉じるときに起こる変化は高密度気体であることによって起こされること, 実際の音声でも声帯が閉じているときに起こることを示した.
著者
中井 孝芳 高尾 諭司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.73, pp.15-22, 2001-05-18
被引用文献数
1

この報告では発声者自身がどのように知覚しているかについて述べている。我々はプロープマイクロホンにより外耳道から1cmの位置での音 (空気伝導音声) と、口唇から正面30cmの距離での音 (正面音声) を測定した。また、超小型加速度計で側頭骨の骨振動 (骨振動) を測定した。被験者は6から8名である。結果より, 高周波で空気伝導音声は正面音声に比べ 5から10dB 低いことがわかった。空気伝導音声を発声者自身に聞かせたところ. 自分自身の声に近いが低音が足りないことがわかった。骨振動は300Hzと700Hz付近にピークがあり、1kHz以上はノイズレベルであった。空気伝導音声と骨振動を加えると発声者自身の声に近くなった。この時性からも空気伝導が主な経路といえる。