著者
高山 智行
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.92-92, 2011

大喜利に対して感知されるユーモアのタイプが、その時の生理反応(脳波)に及ぼす影響を検討した。まず,予備実験において,36名の大学生が30の大喜利作品を,遊戯的ユーモアあるいは攻撃的ユーモアを感知する程度について評定し,それらの中から,どちらか一方のユーモア感知度が相対的に高い作品を3作品ずつ選別した。本実験では,それらタイプ別各3作品を刺激材料として,18名の大学生を対象に,大喜利閲覧前後での脳波を計測するとともに,大喜利作品のユーモア感知度の評価を改めて行った。その結果,両タイプの材料は「おかしさ」の評価自体には違いが認められなかったが,遊戯的ユーモアの感知度が高い作品に対しては,広範囲の測定部位でα波,β波ともに有意に増加し,攻撃的ユーモアの感知度が高い作品に対しては,主に側頭部位でβ波が有意に増加した。遊戯的ユーモアはリラックスと同時に脳活動の広範な活性化をもたらすのかもしれない。