著者
大園 誠一郎 高山 達也 高岡 直央 杉山 貴之 寺谷 工
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

我々は腎癌のマーカー遺伝子の探索を進めており、その候補として脳型脂肪酸結合蛋白質(FABP7)に注目して研究を進めている。そこから長鎖不飽和脂肪酸が腎癌に与える影響についての解析を行なった。腎癌細胞株の培養中に長鎖不飽和脂肪酸を高濃度添加すると細胞増殖阻害が起こる傾向があり、ω-3脂肪酸はω-6脂肪酸より低濃度で細胞増殖阻害を起こす傾向があった。またFABP7 を強制発現させるとω-3脂肪酸のDHA の細胞増殖阻害がより低濃度で起こった。そこからDHA の投与を増やした条件でFABP7 を発現させる事は腎癌を抑制する効果が期待出来る。
著者
大園 誠一郎 高山 達也 寺谷 工 高岡 直央
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

腎細胞癌のバイオマーカーとして脳型脂肪酸結合蛋白質(B-FABP)を同定後、早期診断キット開発の第1段階としてB-FABPに対する特異性の高い抗体を作成し、尿を用いてB-FABPの発現を検討した。次いで、B-FABPの機能解析のため行ったプロモーター解析で、B-FABPの発現にBrn-2、NF1、YY1の関与が示唆された。癌の基本環境である低酸素状態でのB-FABPの機能解明のため、現在メタボローム解析を行っている。この解析結果から、さらなる発展が期待される。