著者
高島 克幸
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.117-133, 2015-06-25 (Released:2017-04-08)

楕円曲線暗号は,Koblitz,Millerによって独立に1985年に提案されて以来,新たな応用を生み出しながら,現在まで発展している.本稿では,私が関わったトピックを中心にして,誕生30年を迎える楕円曲線暗号の進展を,数論アルゴリズム的な側面から振り返る.特に,スカラー倍算,ペアリング演算,同種写像計算という3つの一方向性関数と,それらに基づくDiffie-Hellman型鍵共有法に焦点を当てながらサーベイを行う.
著者
川合 豊 高島 克幸
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.78-85, 2013-10-14

代理人再暗号化方式(Proxy-Re-Encryption, PRE)は,再暗号化鍵と呼ばれる鍵で,暗号文の宛先を変更可能な公開鍵暗号方式である.通常のPREでは,Aが作成した再暗号化鍵でA宛のいかなる暗号文でも再暗号化できる.そのため,受信者Aは再暗号化する暗号文を選ぶことができない.これを解決する技術に,再暗号化鍵に再暗号化する暗号文の条件を指定する,条件付き代理人再暗号化方式があるが,既存方式は設定可能な条件が柔軟でない.本稿では,柔軟な再暗号化の条件が設定可能な条件付き関数型代理人再暗号化方式を提案する.具体的に,条件付き関数型代理人再暗号化方式のモデルとその安全性を定義し,内積述語暗号を基にした具体的方式を構成する.