- 著者
-
林 哲弘
高崎 浩壽
末廣 健児
石濱 崇史
鈴木 俊明
- 出版者
- 一般社団法人 日本基礎理学療法学会
- 雑誌
- 基礎理学療法学 (ISSN:24366382)
- 巻号頁・発行日
- pp.JJPTF_2023-09, (Released:2023-12-13)
- 参考文献数
- 21
本研究は,運動観察時に提示される運動の筋収縮強度に対する主観的認識の違いが脊髄運動神経機能の興奮性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。対象者は健常成人22 名とし,F 波は右母指球上の筋群より導出した。測定の流れは,安静時のF 波を1 分間測定し,4 分間の休息後,運動観察時のF 波を1 分間測定した。観察課題は,母指の内転・外転運動(無負荷映像)と2 種類のセラバンドで母指に負荷を与える(低負荷映像・高負荷映像)とした。また,対象者の認識に基づいて,主観的高負荷,主観的低負荷,主観的無負荷に分類し,各条件間の振幅F/M 比相対値を比較した。振幅F/M 比相対値は,主観的無負荷・低負荷条件と比較し主観的高負荷条件で増加した(p <0.05)。結果より,運動観察において対象者に強い筋収縮が必要な運動であると認識させることで脊髄運動神経機能の興奮性は増加することが示唆された。