著者
岩倉 成志 新倉 淳史 高平 剛
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, no.765, pp.39-48, 2004

本研究では経路選択行動におけるサービス水準の知覚誤差を分析する. 離散選択モデルは分析者側が設定したサービス水準を用いることが通常だが, 特定の経路に系統的な知覚誤差が発生する場合は, 知覚誤差をランダム項で吸収できない. 東海道線と横須賀線の利用者を対象に知覚誤差の分析を行った結果, 所要時間や混雑率に大きな知覚誤差が発生すること, またその要因として過去のサービス悪化の記憶や個人の路線の評価, 情報探索性向などが影響することを明らかにした. 以上の観察結果をもとに, サービス水準の知覚誤差モデルを構築するとともに, 選択肢集合の形成と選択行動を同時表現するPLCモデルで習慣強度を考慮した経路選択モデルを検討した.