著者
高木 和幸 中村 秀紀 米沢 千尋 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.209-210, 1991-02-25

近年、ネットワークセキュリティに対する関心が高まっているがその実際的な応用面については、理論的なものにとどまっている傾向がある。暗号化の技法はネットワークセキュリティの中心となるもので、現在最も急速に発展している分野の一つでもある。メッセージを暗号化して複合鍵を持っていない者には解読できないようにするという機能は暗号の基本的機能であるが、そこから鍵の配送、相手の認証などの新たな研究課題が生まれており、特に認証に関する研究は活発に行われているのが現状である。一方、ネットワーク網が発達するにつれて、それにともなう分散的処理に対する研究も現在活発に行われており、遠隔会議システムはその具体的な応用例の一つである。このような会議システムにおいては会議を円滑にすすめるためにはどのような環境を設定すれば良いのかという研究は行われていても、そのセキュリティに関する研究はほとんど行われていない状態である。そこで我々は、会議システムにおけるセキュリティ機能の必要性を議論し、実際の応用例としてUNIX上に構築したシステムを提示する。