著者
松下 温
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, 1991-01-15
著者
塩澤 秀和 西山 晴彦 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.2331-2342, 1997-11-15
参考文献数
23
被引用文献数
22

「納豆ビュー」は,WWW空間を3次元グラフィックスを用いて視覚化し,「持ち上げ(つまみ上げ)」という対話的な操作によって情報どうしの関連性を多面的に俯瞰できるようにする.ページ(ノード)とリンクは,それぞれ球とそれを結ぶ線で表現され,まず3次元空間内のほぼ平面上に配置される.ユーザは錯綜するリンクの中から注目したいノードを任意に選択し,マウスによってそれを持ち上げることができる.すると,関連する一連のノードがつられて持ち上がるので,複雑なグラフ構造を好みに応じて解きほぐして調べることができる.納豆ビューは,単なる視覚化を超え,ユーザの興味に応じた対話的な操作が可能であり,レイアウト非依存なので巨大な分散情報空間の逐次的なアクセスにも適する.本論文では,この納豆ビューを紹介し,さらにその有効性を考察するために情報視覚化技術を,関心度,操作体系の一貫性,操作方向への意味づけの3つの相互関係という観点から考察し,その中での納豆ビューの位置づけを試みる.The Natto View visualizes the WWW space by 3-dimensional graphics,and its interactive "lift-up" operation enables users to view connections and context of information from various interests.Each node,or the Web page,and hyperlink represents respectively ball and wire connecting thier,and at first they are placed roughly on a plane in 3-dimensional space.The user can select and focus arbitrary node and lift it up with a mouse.Then the nodes to which the focused node links are lifted up together,thus the complex network is disentangled by the user's interest.The Natto View supports not only visualization but also interactive operations on user's demand,and it is suitable for incremental access to huge distributed information networks because of its independence from the layout of its nodes.In this paper,we describe the Natto View and its evaluation by a classification of information visualizations according to the relationship among degree of interest,consistency of operations and directional semantics of operations.
著者
寺本 邦夫 大木 直人 阿部 圭一 内田 美喜子 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.327-328, 1995-03-15
被引用文献数
1

マルチメディアという言葉が一般に広く用いられるようになってずいぶんと時間が経過している.マルチメディアは,"マルチ+メディア"という言葉の通り,画像,音声,文字など複数のメディアを統合して処理できる環境として脚光を浴びており,現在では,ごく当たり前のように様々な分野で用いられている.しかし,マルチメディアは,これら複数のメディアがあってこそ意味がある場合が多い.したがって,これらのメディアのうち一つでも欠けてしまうと不快感を生じてしまうこともある.音の出なくなったテレビがよい例であろう.その他に人為的なミス,例えば,ビデオ撮影の際の音声や映像の取り忘れなど様々考えることは容易である.このようなマルチメディア情報の内,1個または数個のメディアが欠如している時,他のメディアから欠如しているメディアを創出する事を"メディアの補完"と呼ぶことにする.著者らはメディアの補完の中でも「画像」から「音声」への補完に注目した.ここでいう「音声」とは,人間のコミュニケーション手段である会話だけでなく,波の音や風の音,昆虫の鳴き声など「文字」で正確に表現するのが困難な「音」を指す.また,今回取り扱う画像は風景画や風景写真に限定し,それに対応する「音風景」を補完する音検索システムOKeS(仮称)を構築した.音風景とは英語のSoundscapeに因んで名付けた言葉で,臨場感のある音場で構成された空間である.
著者
本田 新九郎 富岡 展也 木村 尚亮 大澤 隆治 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1472-1483, 1998-05-15
被引用文献数
17

本稿では,3次元返想空間を利用した在宅勤務環境を提供する仮想オフィスシステムValentineについて述べる.Valentineは,地理的に分散したユーザをネットワーク上に仮想的に構築したオフィスに出勤させ,そこで他のメンバの雰囲気・気配を伝達し,コミュニケーションを支援するシステムである.物理的なオフィスは存在せず,ユーザはすべて仮想オフィスに通うことを想定している.遠隔地にいる他の社員の気配を伝達するために,「周辺視ビュー」および「効果音」を実現し,アウェアネスの提供を行った.またアウェアネスの過度な提供が効率的な個人作業の妨げとなることから,ユーザの「集中度」を定義し,集中度に応じたアウェアネス提供環境を実現した.集中度は「キーボード,マウスの利用頻度」「椅子を動かす頻度」という2つの要素からシステムで自動検出され,作業環境に反映される.評価実験を行った結果,気配の伝達および集中度に応じた環境の提供について,良好な結果を得た.In this paper,we describe a virtual office system named Valentine that provides a "work-at-home" environment based on 3D virtual space.Users can go to the virtual office built on network virtually,feel the existence of each other,and communicate with each other by using Valentine.We assume that we have no physical office and all members go to the virtual office.In order to transmit the feeling of other members' presence at the virtual office,we have realized "Around View" and "Sound Effect" for supporting awareness in Valentine.On the other hand,for avoiding too much awareness information that bothers workers,we have defined "degree of concentration" and provided appropriate office environment to workers according to their state.The degree of concentration is automatically detected from two elements "the frequency of key stroke and mouse use" and "the frequency of rotating a chair".The system evaluation demonstrated that we have gained a better result on transmitting the presence and providing an environment according to the degree of concentration.
著者
中村 亮太 井上 亮文 市村 哲 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.172-180, 2006-01-15
参考文献数
24
被引用文献数
3

近年,大学などの教育機関では,学習用コンテンツとして講師映像と講義資料を組み合わせたものが制作されているが,単調な表示方法であるため学習者を飽きさせてしまうという問題がある.そこで本稿では,学習者にとって飽きにくい講義コンテンツを自動的に作成することができるシステム「MINO: Multimedia system an Instructor needs Not Operate」を提案する.著者らは映像の単調さを改善するために,誘目性(目が惹き付けられる)に着目し,画面に並列表示された講師映像と講義資料の表示サイズを交互に拡大縮小することで提示映像のスイッチングを行い,講義資料中の重要語句(講師の発話と一致した語句)を誘目性の高い表示へ変換することが自動的にできるシステムの開発を行った.MINO では,音声認識によりテキスト化した講師の発話情報と講義資料内の文字列とをマッチングさせることで重要語句の特定とともに,映像の切替えタイミングとフォントの変換タイミングを自動的に決定することができる.評価実験の結果,本提案手法は従来の提示方法に比べ,学習者を飽きさせないという評価を得ることができた.本稿では従来の提示方法について分析した結果を示し,開発したシステムの設計,実装,評価について述べる.Recently, e-learning contents that combine the speaker video with supporting materials are produced in educational institutions such as universities. However, there is a problem that those systems make learners become tired because produced contents are monotonous. In this paper, we propose the system "MINO: Multimedia system an Instructor needs Not Operate" that can automatically edit the recorded speaker video and supporting materials. MINO allows users to automatically convert words in the supporting materials into conspicuous ones according to the utterance of the speaker. We used speech recognition to convert voice of lecturer into character string. Their data are matched up words into the supporting materials so that speaker video is synchronized with supporting materials. Through evaluations of the system, we verified the effectiveness of our system.
著者
関本 寛仙 根本 啓一 井上 智雄 重野 寛 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.31, pp.43-48, 2002-03-22
被引用文献数
1

近年、日本は高齢化の一途をたどっており、高齢者のコンピュータ利用の増大が予想される。一方情報技術の発展により、インターネットを用いて地理的な制約から解放されたさまざまな活動を行うことが可能となってきた。高齢者の特徴としては、身体活動は衰えているがその知的、心的活動は衰えておらず、強い知的欲求を持っていることが挙げられる。よって地理的な制約のないインターネット上での活動は、高齢者の知的、心的活動の充足の場となりえる可能性があると考えられる。そこで我々は高齢者も参加して楽しめる知的な活動として連句という文芸に着目した。本稿では松尾芭蕉らが残した俳諧七部集を分析することで連句作成手法を獲得し、それを応用した連句作成支援システムを提案する。In recent years, aging of Japanese society is being enhanced and it is expected that the elderly will use computers frequently. On the other hand, People are released widely from geographical restrictions by using computers and Internet. And they can be active in various Internet communities. Although the elderly have weaker body activity than people generally, their intellectual and mental activity has not declined. Therefore, we thought that the activity on the Internet that releases us from geographical restrictions may serve the elderly as a place of satisfaction of intellectual and mental activity. So we aimed Renku community website that everyone include the elderly can have fun. Renku is old Japanese literature. In this paper, we showed results of analysis of Haikai Shichibusyu (It is old famous Renku samples.) and I proposed the Renku creation support system using knowledge from the results.
著者
奥野 和久 黒田 浩一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.395-396, 1993-03-01

今日、予想以上の自動車の増大のために既存の道路網では対応できなくなってきている。このために自動車の集中する市街地の幹線道路や都市周辺の高速道路では渋滞が頻繁に発生するようになり、ドライバーの不満はいうまでもなく、これによる時間的損失は1990年度には全国でおよそ12兆円にもなると推計される。特に首都圏の交通ネットワークの要ともいわれている首都高速道路においては、もはや高速とはいえない次元に達している。首都高速道路が稼働状態にあるのは計画路線のまだ一部で、早急な建設が期待されているが、首都圏の地価高騰などの影響などを受けて遅れている。それらを改善するために東京外郭環状道路、中央環状線、東京港連絡橋(通称、レインボーブリッジ)などの新たな路線が建設または計画されておりその効果が期待されている。そこで本研究では首都高速道路の実際の交通流のデータをもとに東京外郭環状道路等の新路線が完成した場合の交通流の変化を考慮したシミュレーションを行い、渋滞の解消に関する効果について検討した。
著者
市村 哲 井上 亮文 宇田 隆哉 伊藤 雅仁 田胡 和哉 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.924-931, 2006-03-15
参考文献数
12
被引用文献数
7

電子プレゼンテーションが普及した現在でも,大学などの教育機関において黒板を用いた講義は根強い支持を得ている.著者らは,講師が講義前にビデオカメラを1 台設置しておくだけで,その収録映像から自動的に講師の動画映像と板書の静止画とを作成し,即座にインターネット配信可能とする講義自動収録システムChalkTalk を構築した.板書静止画については,画像処理を施して講師の姿を消去する工夫を施している.1 台の固定ビデオカメラのみで黒板全体を明瞭に記録するために解像度の高い民生用ハイビジョンカメラ(HDV カメラ)を用いて実装した.本論文では,システムデザイン,実装,および,評価について述べる.Although lectures and seminars using presentation software became popular, a chalk talk is still commonly used among education institutions such as schools and universities. We developed ChalkTalk that automatically produces E-learning materials from videotaped chalk talks. The system separately extracts a lecturer's image and writing on blackboard from video images recorded with a single high-definition digital camcorder, and stores the former as a streaming video and the latter as a series of snapshot images.
著者
井上 智雄 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.2095-2104, 1996-11-15
参考文献数
23
被引用文献数
28

本論文ではTV会議システムの映像を演出することを提案する. TV会議システムの使用で報告されている様々な問題を解決するためには システムの主たる要素である映像情報の用い方が問題であり 特にこれまでにあまり研究されていない 参加者の映像の表示方法が重要であると考えた. 映像の理論によれば 映像の適当な切り替えが必要であるため TV会議システムに適した映像表現方法を得るために テレビ討論番組の映像手法を分析した. そして そこから得た知識を利用した 多人数遠隔TV会議システムを作成した. さらに このシステムと従来の固定カメラの会議システムとの比較実験を行い 良好な結果を得た.Designing the video of a videoconferencing system is presented. The authors put an importance on the utilization of video, which is one of the essentials of a videoconferencing system, and assumed that how to present the pictures of participants was the key to solve the problems which have been reported and improve videoconferencing. The video technique on TV debate programs was studied to obtain an appropriate way of presenting video. Then the videoconferencing system that uses the video technique was developed. The system was evaluated highly in a comparative experiment with a conventional fixed video camera system.
著者
藤巻 貴宏 重野 寛 清松 和明 〓 衛東 大森 博雄 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.535-536, 1997-03-12

モーバイル・コンピューティング環境において, ユーザは, 携帯型計算機や自宅のマシンから, 会社や学校の計算機にアクセスすることが考えられる. この際, 無線通信を使用することにより生じる通信中の回線の切断・接続不可能な状況などの問題点を解決するため, 我々は, MC^2Platform を構築した. しかしながら, 実際にはファイアウォールにより, どこからでもあらゆるネットワークにアクセスできるわけではない. そこで本稿では, ファイアウォールの存在を考慮した上で, どこからでもファイルを利用できるような, 新しいモーバイル・コンピューテイング環境を構築した. また, この環境上で動作する新しいモーバイル・アプリケーション, 宅配便エージェントを構築した.
著者
清松 和明 重野 寛 兪 衛東 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.367-368, 1996-09-04
被引用文献数
1

小型の計算機を持ち運び,移動体通信網を利用して計算機ネットワークに接続して使用するといったモーバイルコンピューティングが可能となってきた.モーバイル・コンピューティング環境を実現するには,回線の切断,接続不可能な状態,ユーザの使用するマシンの変化などを考慮する必要がある.現在のモーバイルコンピューティング環境では,有線ネットワーク上で実表されていたアプリケーションを携帯型計算機上で使用することが主流である.しかしこれらのアプリケーションは,上記のような特徴は考慮されていない. そこで,本稿では,これらのモーバイル・コンピューティングの特徴を考慮し,ユーザに代わって処理を行なうエージェントを提案しこのエージェントをMCプラットフォームで動作させた場合について述べる.
著者
泉本 貴広 陳 健和 重野 寛 横山 光雄 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.287-288, 1992-02-24

有線LANにおいて端末のケープリングは重要な課題である。端末の配置替えには多大な時間と費用を費やすことが多く、端末の配置には自由度がない。無線LANの実現により有線LANで不都合であったこれらの点を改善することができるばかりでなく、ポータピリティを活用した新しい形のLANの可能性も見いだすことができる。現在まで我々は、「無線/有線の二層構造を持つLAN」を提案し、シュミレーションによりその有用性を確認してきた。今回は今までの提案に基づき、その実現性を確認するため、インプリメントを行った。
著者
岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.775-783, 1995-03-15
被引用文献数
48

本論文は、遠隔地の参加者が丸テーブルを囲んで一堂に介しているような臨場感を与える、多地点会議システム"MAJIC"のデザインとそのプロトタイプの実装について述べている。MAJICは、曲面状スクリーンに投影される複数の等身大画像との多視線一致、誰が誰を見ているかという視線認識、臨場感を出すための連続した背景、参加者の中央に配置された作業空間を実現しており、対面環境に非常に良く似た雰囲気を提供することができる。我々は、東京で開催された日経コラボレーションフェアにMAJICのプロトタイプを展示し、このフェアを訪れた一般の人々に3地点会議を実際に体験して頂いた。この論文では、その時の被験者の印象や指摘についてもまとめている。
著者
武藤 裕子 西山 晴彦 大久保 達真 斉藤 伸介 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.105-106, 1997-03-12

近年の情報機器の高性能化や低価格化, WWW(World Wide Web)の普及により, マルチメディア情報発信の機会が増加してきた. これにともない, 一般ユーザでも簡単にマルチメディア情報を創造できる環境の実現が期待されている. しかし, 現在のマルチメディア情報制作は, 複雑で時間のかかる退屈な作業であると報告されている. この問題を解決し, 誰でも簡単にマルチメディア情報を制作できる環境として, 扱いやすい検索キー, ユーザの感性を考慮した検索という特徴を持つ必要がある. そこで, ユーザの感性を考慮した検索を行なえるようなマルチメディア制作環境を実現するために,「山」「地面」などのように画像を部品ごとに管理し, ユーザのイメージを入力することにより, イメージに合った部品を検索して合成するシステムを提案する. これにより, 一般ユーザでも簡単に, マルチメディア情報を創り出すことができる.
著者
大久保 達真 大木 直人 寺本 邦夫 岡田 謙一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.75-76, 1996-03-06
被引用文献数
1

近年の情報機器の高性能化や低価格化,WWW(World Wide Web)の普及により,一般ユーザでも簡単にマルチメディア情報を創作できる制作環境の実現が期待されている.一方,現在のマルチメディア情報制作は,複雑で時間のかかる退屈な作業であると報告されている.この問題を解決し,一般ユーザでも,簡単にマルチメディア情報を制作できる環境として,1)扱いやすい検索キー,2)ユーザの感性を考慮した検索,という特徴をもつ必要がある.以上の要求を満たす制作環境を実現するため,画像や音声を部品ごとに管理し,ユーザのイメージを入力することにより,イメージにあった部品を検索し合成する技術を提案する.本論文では,とくに風景描写文から風景画像と音風景を作り出すシステムについての実装と実行結果について述べる.これにより,一般ユーザでも,すぐに,簡単に,マルチメディア情報を創り出すことができる.
著者
重野 寛 本田 新九郎 大澤隆治 永野 豊 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.1922-1932, 2001-07-15
被引用文献数
19

本稿では,3次元仮想空間をより実感することを可能にする仮想空間システムFriend Parkについて述べる.Friend Parkは3DCGで構築された空間や物体を特徴付ける香りをユーザに提供することや,ユーザが自然な振舞いで利用することのできる入力インタフェースによって,仮想空間の実感を高めるシステムである.人間の五感のうち嗅覚においては,他の感覚器では得ることのできない情報を取得し,物事を実感するうえでその効果は大きいと考えられる.そこで,仮想空間内の嗅覚情報を表現するために,「アロマ」という概念,およびアロマの伝達される範囲を表した「アロマオーラ」を定義し,アロマオーラ内にいるユーザにアロマの伝達を行った.実際に香りを発生させる方法としては,コンピュータ制御可能な芳香発生装置を利用し,香りの発生を行った.また,より自然な振舞いで利用できる入力インタフェースを実現するため,人間の「息を吹きかける」という動作に注目し,専用の風力センサを作成した.ユーザ側にはデバイスによる負荷を与えたり,過度に意識させることなく,ディスプレイに表示されている仮想空間において,息を吹きかけるという動作による直接的なオブジェクトの操作を可能にした.評価を行った結果,香りの伝達および風力センサを利用した入力インタフェースによる仮想空間の実感について,良好な結果を得た.In this paper,we describe a 3D virtual space system named ``Frien Park'' that gives users a more definite sense of reality.Users can get riality by using Friend Park taht provides the information of the sence of smell in virtual space and the input device which user can use by the natural behavior.Human percept the important infomation through tne sense of smell that cannot be perceiced through other senses.So we propose the general idea of ``Aroma'', the area of ``aroma aura''. and the method of transmitting the actual smell from a virtual space to real world.By entering the aroma aura, the user can attain the aroma.In addition, to perform a natural way of input in virtual space,we focused on the action of ``blowing''.we propose the techniqu of operating the virtual object by blowing onto the screen and measuring a force of the wind with a special device.we design a special device that can set below the display,thus the user can naturally make direct input without being too aware of the device.The system evaluation demonstrated that we have gained a better result on transmitting olfactory infomation,input device, and whether users can get riality by them.
著者
井上 亮文 平石 絢子 柴 貞行 市村 哲 重野 寛 岡田 謙一 松下 温
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.38-50, 2005-01-15

シナリオの存在するシーンを一般のユーザが撮影する場合,被写体の数が多かったり,撮影環境がそのつど異なったりするため,効果的なカメラワークを事前に計画することは困難である.そこで本論文ではシナリオ情報に基づいてカメラワークを自動的に計画する手法を提案する.撮影対象としてオーケストラ演奏を想定し,シナリオである楽譜から被写体の候補を決定する方法と,各カメラのショットを決定するための優先度の計算方法を定義している.実際にショットを接続して1 本の映像を編集する実験の結果,提案手法はシナリオや優先度を考慮しないショットで編集したものよりも変化に富んだ映像を制作できることが分かった.また,カメラの配置に適応したショットを提示できることが分かった.
著者
本田 新九郎 富岡 展也 木村 尚亮 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.1454-1464, 1997-07-15
被引用文献数
8

本稿では,在宅勤務の問題点である,コミュニケーションの機会の減少からくる個人の心理負担,社会からの疎外感を解消した仮想オフィスシステムについて述べる.システムでは,オフィス内での自然なインフォーマルコミュニケーションの実現のために,コミュニケーションの支援技術であるアウェアネスの概念を発展させた「位置アウェアネス」を考慮した.位置アウェアネスの実現に際しては,3次元仮想空間内に社員の座席を設けた「大部屋メタファ」に基づく仮想オフィスを構築した.このことにより,これまで考えられていなかったコミュニケーションの空間依存性を考慮したより自然なインフォーマルコミュニケーションが実現された.また「アウェアネススペース」という新たな概念の導入により,コミュニケーション空間とパーソナルスペースの確保の両立をはかった.個室ベースのシステムとの比較による評価から,在宅勤務における問題点解消について良好な結果を得た.In this paper,we describe a virtual office system that dissolves the estrangement feeling of home-office workers,which comes from less opportunity of communication.In order to realize a natural informal communication in the virtual office,the system has considered the new awareness concept "Position Awareness".We have realized the "Position Awareness" by building a virtual office based on the "Shared-Room-Metaphor" on a 3D graphics workstation.By doing this,the system enabled more natural informal communication that depends on the positional relationship.And also by introducing the new concept of "Awareness Space",both the facility of communication and personal space was made compatible.By comparing with the result of the system based on the private room,we have gained a better result on solving the problem of home-office.
著者
井上 亮文 吉田 竜二 平石 絢子 重野 寛 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.212-221, 2004-01-15
参考文献数
14
被引用文献数
8

本研究では,映画の映像理論に基づく対面会議シーンの自動撮影方式を提案する.対面会議シーンの撮影には複数のカメラを用いる必要があるが,位置的に離れたカメラの映像でスイッチングを行うと急激な変化が生じ,視聴者が参加者の位置関係の認識に混乱を来たす.提案手法では,人物の位置関係を明確にする映像理論であるイマジナリーラインを設定および解除する方法と,参加者の対話シーンを強調する三角形配置に従った撮影用カメラの決定方法を定義している.実験では正確なイマジナリーラインを冗長な部分があるものの70¥%の確率で設定でき,映像表現に影響を与えるような検出ロスは少なかった.アンケートによる比較実験では,人手でスイッチングしたものと比べて位置関係の見やすい映像を自動生成できたことが確認された.In this paper,an automatic shooting method for face-to-face meeting scene based on grammar of the film language is proposed.Shooting a meeting scene requires multiple video cam- eras,however,viewers may get confused in case of switching shot between spatially distant cameras.To shoot participants effectively,we introduce two filming theory into automatic shooting method.The dectection of the メimaginary line モmakes spatial relationships of the participants clear.The determination of the メcamera triangle モfigures out the conversation of the participants.Although there remains some redundancies,the detection ratio of the ideal imaginary line was 70%,the loss of which had less effects on the video image.The comparative experimental result indicated the availability.