- 著者
-
高木 康平
日置 佳之
- 出版者
- 日本緑化工学会
- 雑誌
- 日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.4, pp.571-579, 2007 (Released:2008-12-05)
- 参考文献数
- 22
- 被引用文献数
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侵略的外来種は生物多様性の保全にとって最大の脅威の一つとされている。その影響を軽減することを目指して,2005 年に外来生物法が施行された。イタチハギ (Amorpha fruticosa L.) は法面緑化に使用される北米原産の木本植物である。しかし,イタチハギは本来の分布域ではないアメリカ西部などにおいて在来植物への被害が報告されているにもかかわらず,法面緑化樹として有用なため,同法による特定外来生物の指定を受けていない。そこで本研究ではイタチハギの侵略性を評価するために,鳥取県旧八頭郡において法面とその周辺での生育状況及び八東川河川敷での逸出状況の調査を行い,2 つの外来種評価モデルを用いて侵略性の評価を行った。その結果,1) イタチハギは法面で25 年以上生存し続けること,2) 法面周辺に逸出していること,3) 河川敷で定着しており河川内で二次散布している可能性が高いこと,が明らかになった。また,2 つの外来種評価モデルをイタチハギに適用したところ,侵略性が高いことが示唆された。