2 0 0 0 悪性黒色腫

著者
栗原 浩幸 金井 忠男 金井 慎一郎 金井 亮太 赤瀬 崇嘉 中村 圭介 高林 一浩 神藤 英二 上野 秀樹
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.996-998, 2018-06-25

疾患の概念 悪性黒色腫(malignant melanoma)は,神経堤起源細胞でメラニン産生細胞であるメラノサイトに由来する悪性腫瘍であり,本邦における悪性黒色腫の罹病率は1.12人/10万人とされている1).消化管の悪性黒色腫は非常にまれであり,大部分は皮膚を原発としたものの転移である.消化管原発の悪性黒色腫の主な部位は,食道と直腸肛門部であり2),肛門部の悪性黒色腫は,全悪性黒色腫の0.2%,直腸肛門部の悪性腫瘍の0.5%と極めて少ない3).好発年齢は50〜70歳代で,女性に約2倍多いとされる4). 症状は肛門出血が最も多く,肛門部腫瘤,肛門痛,便通異常などを訴える5).悪性度が極めて高く,早期からリンパ行性はもとより血行性に肺・脳・骨・肝などに転移を来す.
著者
斉田 芳久 榎本 俊行 長尾 二郎 高林 一浩 長尾 さやか 大辻 絢子 渡邊 良平 中村 陽一 高橋 亜紗子 草地 信也
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.317-323, 2014 (Released:2014-04-30)
参考文献数
10

前向きにリン酸ナトリウム錠(新NaP錠)の受容性と洗浄効果の検証を行った.対象と方法:2011年1月から2012年12月の期間で心腎機能異常がない外来大腸内視鏡を施行患者418名を対象とし,患者受容性はアンケートで洗浄効果は内視鏡術者の観察スコアで調査した.結果:新NaP錠の前処置は,添加物変更前のNaP錠(旧NaP錠)と同様に,嘔気・腹痛も少なく,高い受容性が認められた.ポリエチレングリコール含有電解質溶液(PEG)を前処置剤として服用した経験のある患者での次回の服薬希望において,新NaP錠の希望者は63.9%と,PEGの13.4%を大きく上回った.製剤残渣は旧NaP錠と比較して残存率には減少傾向が認められた.結論:新NaP錠の受容性と洗浄効果の高さが確認され,新たな大腸内視鏡前処置剤として有用である.