- 著者
-
高梨 美乃子
- 出版者
- 一般社団法人 日本血液学会
- 雑誌
- 臨床血液 (ISSN:04851439)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.3, pp.271-277, 2016 (Released:2016-04-12)
- 参考文献数
- 7
非血縁者間造血幹細胞移植を支える骨髄バンクと臍帯血バンクは,移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律により,国の責任のもと,骨髄・末梢血幹細胞あっせん事業者,臍帯血供給事業者および造血幹細胞提供支援機関により整備されることになった。骨髄バンクには,日本骨髄バンクによるドナー募集,日本赤十字社による受付,HLA検査,情報管理,HLA適合検索,日本骨髄バンクによる患者登録,ドナーコーディネート等の業務分担がある。臍帯血バンクは,臍帯血採取施設と臍帯血バンク,臍帯血公開登録・検索システムにより成る。法律制定後の体制においては,骨髄バンクドナー登録者またはHLA適合検索対象者目標数の設定,臍帯血公開登録目標数の設定,その背景の患者動態解析が必要である。骨髄バンクには若年者のドナー登録推進,コーディネート期間短縮,臍帯血バンクには臍帯血採取施設の組織化,国際化の推進が課題である。