- 著者
-
高橋 紀穂
- 出版者
- 太成学院大学
- 雑誌
- 太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
- 巻号頁・発行日
- vol.16, pp.167-175, 2014-03
本稿の目的は,意識のエネルギーと生産的労働によってもたらされるエネルギーを同一の地平で考えるジョルジュ・バタイユの思考を明確化することにある。議論は以下の手続きによって進められる。まず,バタイユの労働概念を,次に,彼の労働と言語との関係の思考を見る。続いて,彼が,ヘーゲル哲学の分析の中で,労働と言語的意識の両者を,エネルギー論というひとつの視点から捉えたことを示す。その後,その正当性をデリダの言語論から考える。そして,彼が思考した消費の倫理を示す。最後は,バタイユが現代のわれわれにもとめた「自覚」について考える。