著者
福田 将一 高橋 一広 金子 修三 臼井 丈一 小関 美華 小田 竜也 山縣 邦弘
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.55, no.Supplement, pp.375_3, 2020 (Released:2021-09-18)

【目的】夫婦間生体腎移植の実施数は全国的に増加傾向にあり、当院でも生体腎移植の約4割を占める。手術に伴う生活環境などの変化が予測される症例も経験することが多くなっており、当人以外の治療参加も求められる。今回、ドナー・レシピエント夫婦がほかの家族に相談なく移植を受けようとし、家族と医療者間の調整を必要とした症例を経験したので報告する。学会発表にあたり、患者本人から同意を得た。【症例】A氏、60歳代、男性、糖尿病性腎症により生体腎移植を希望した。ドナーは妻であり、通院はドナー・レシピエント夫婦のみであった。術前検査を進め手術入院を控えていたが、同居する30代長女からの連絡で妻以外の家族には相談せず話を進めていたことがわかった。家族は患者の病気や自己管理能力に不安を抱いていたが、患者から説明を受けていないということで、移植に対して反対の意見を持たれていた。反対の理由や疑問点・患者への思いを確認し、主治医との面談を調整した。主治医より患者夫婦に家族を加えて説明が行われ、移植手術を行うことに同意された。【考察】家族は患者を心配する気持ちを抱いていたが、家族へ相談なく進めていたため治療方針の確認やその後のフォローアップなど、理解する機会を得たかったのではないかと考える。【まとめ】患者・家族の関係性を理解し、コンフリクトが生じていないか評価する必要がある。
著者
高橋 一広 倉智 博久 山谷 日鶴
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

閉経後の内臓脂肪で11beta-HSD1の発現が増加することが明らかになり、ヒトでもエストロゲンは11beta-HSD1の発現を抑制すると考えられた。BMIの増加に伴い脂肪組織内のaromatase発現は増加するが、生理活性の低いE1が優位になるため、局所内のグルココルチコイド活性化を抑制できない可能性が想定された。皮下脂肪では閉経前後で脂肪酸の代謝に差は認められなかったが、閉経群の内臓脂肪で、脂肪酸の代謝産物が有経群に比較して高濃度に存在することが、メタボローム解析で初めて明らかとなった。閉経後の内臓脂肪では、脂肪酸代謝に変化がおきていることが示唆された。