- 著者
-
高橋 俊史
- 出版者
- 東北福祉大学
- 雑誌
- 東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
- 巻号頁・発行日
- no.44, pp.79-96, 2020-03-19
情報社会の進展とともに情報リテラシーが求められているが、Society5.0の社会では,より必要性が高まると予測される。しかし,現状としてバイトテロなどの情報モラルに関連する問題が生じており,情報モラル教育の在り方を検討する必要がある。そのため,情報モラルに関する講義を履修している学生を対象に安心協ILASテスト2013版を活用した情報モラルの理解度把握と講義の効果検証を目的とした調査を行った。その結果,現在の大学生の情報モラルは,高い水準で理解しているが,過去の学生と比較するとインターネットリスクへの対処能力が低下している可能性があった。その要因としては,デジタルネイティブ世代がスマートフォンなどの情報機器を活用できている状況を,すべてのICT機器を活用できると誤認識していることが考察され,教育の必要性を妨げていると考えられる。したがって,今後の情報モラル教育の在り方として,各教員が大学入学前までに十分な情報リテラシー教育を受けていない学生がおり,デジタルネイティブ世代と呼ばれているがICTを苦手とする学生がいるということを認識し,学生に合わせた指導を行うこと,重要なことは重複しても教育するという視点が必要である。