著者
高橋 勝彦 関 進 小島 浩 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.1552-1561, 1994-08-25
被引用文献数
110

CCDカメラ等によって得られる動画像から人間の身振り手振りを認識する手法を提案する.入力画像系列から,垂直・水平・時間方向のエッジ特徴を抽出し,これらを時空間的にリダクションすることによって得られる時空間ベクトル場を用いて各ジェスチャーの標準パターンを表現する.認識対象画像系列と標準パターンとのマッチングにはスポッティング認識手法を用いる.スポッティング認識は,(1)ジェスチャーの時間区間のセグメンテーションが不要,(2)フレームワイズ,すなわち入力画像フレームに同期して認識結果を生成する,といった特長をもつ.7種類のジェスチャーを認識対象として実験を行った結果,本手法によってほぼ正しくジェスチャーを認識できることがわかった.特に時間方向のエッジ特徴を用いた場合は,標準パターン作成時の認識時での被験者の衣服・背景の変化に対し,ロバストであることが確認された.また,本手法を画像処理ボードとワークステーションを組み合わせたシステムにインプリメントし,4種類のジェスチャーをリアルタイムに認識するシステムを構築した.