著者
高橋 康子 田中 美幸 石川 順子 大月 智恵 藤 信子
出版者
京都市立看護短期大学
雑誌
京都市立看護短期大学紀要 (ISSN:02861097)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.155-161, 2010-05-31

高次脳機能障害をもつ人たちには,その障害の特性をふまえて適切なリハビリテーションや生活訓練,就労・就学支援などが必要であると考えられている. 本研究では,脳腫瘍が原因で高次脳機能障害を呈した2 人の20 代の女性を対象に,自立した社会生活を送るために必要な援助とは何かを検討した. Case 1 では,対象者と同じ疾患と障害を持つ同世代の女性をグループメンバーに加え,大学内にあるトレーニングルームにおいて料理を行った.市販されている料理の本を用い調理手順の課題分析をした.その課題分析表を基もとに2 人共同ではなくそれぞれ個別に調理に取り組んだ.その結果,「行動の停止」・「行動の持続」などの特徴が見られることがわかった.途中,養護学校において図書のISBN コードのコンピューター入力作業にボランティアとして参加する機会を得た.ISBN を入力する際に誤打が続いていたが,声に出して入力することで,誤打が無くなり,コンピューターへの入力冊数を対象者が意識することで,作業に対して積極的に取り組むようになった.図書入力終了以降,対象者の調理行動に変化が見られた. Case 2 は,グループ療法を継続中である.ゲームやパソコン入力を取り入れた訓練を実施している.発病後10 年が経過した現在においても記銘力の回復が認められている.
著者
小浦 誠吾 小笠原 致道 上田 成次 高橋 康子 関 由美子 鴨居 道明 田中 十城 則武 晃二 片岡 孝義
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.96-101, 1994-08-05
被引用文献数
3

前報で水田用除草剤の処理方法としてACN発泡性大型錠剤(以下通称のACNジャンボ剤とする)の畦畔からの投げ込み方法を検討し、活性成分の水中拡散性が良く、その後の水中成分濃度の低下も早く、環境安全性にも優れていて実用性が高いことが明らかにされた。本報では、表層剥離と藻類に対するACNジャンボ剤の効果を検討し、実用性を考察した。1.50m^2規模の圃場試験によると、表層剥離に対しては、発生前〜発生盛期の処理において、速効的に高い防止効果が認められ、その後の発生も認められなかった。浮上程度60%の時期(発生率100%)の処理では、十分な効果はなく、薬量を増やす必要があると思われた。一方藻類に対しては、発生盛期の2時期の処理ともに処理1日後には効果が顕著に現れ、それ以降3週間以上にわたって抑制していた。2. 10a規模の水田試験でも、50m^2圃場での試験と同様に高い効果が認められた。3.2倍量試験でも、薬剤投入地点を含めて水稲に対する薬害は認められなかった。従って、表層剥離と藻類がすでに発生している水田でも、それらの発生盛期までの間に他のジャンボ剤との組み合わせ処理をすれば水中拡散性が妨げられることがなくなるため、そのジャンボ剤が十分にその効果を発揮することができるものと考えられた。