著者
隅蔵 大幸 奥野 龍禎 高橋 正紀 荒木 克哉 北川 一夫 望月 秀樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.224-228, 2013-03-01 (Released:2013-03-23)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

症例は76歳男性である.71歳より耳の奥でカチカチ鳴る音を自覚した.75歳から進行性の歩行障害が出現した.睡眠時も持続する約2 Hzの律動的な口蓋振戦と体幹失調をみとめ,脳MRIでは下オリーブ核のT2異常高信号と肥大,軽度の小脳萎縮をみとめた.近年,孤発性の変性疾患としてprogressive ataxia and palatal tremor(PAPT)という症候群が報告されている.診断にあたっては,多系統萎縮症,脊髄小脳変性症,成人型アレキサンダー病などの鑑別を要するが,本例では否定的でありPAPTに該当すると考えられた.本例の口蓋振戦は症候性と考えられたが,耳クリック音で発症した点が特異であった.
著者
石倉 照之 奥野 龍禎 荒木 克哉 高橋 正紀 渡部 健二 望月 秀樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.909-913, 2015 (Released:2015-12-23)
参考文献数
15
被引用文献数
3

症例は23歳男性である.先行感染後に強直間代性痙攣を発症し,抗てんかん薬による治療にもかかわらず,痙攣発作を繰り返した.ウイルス学的検査や抗神経抗体は検索した範囲では陰性で,原因不明であったことから,new-onset refractory status epilepticus(NORSE)と呼ばれる症候群に合致する臨床像であった.ステロイドパルス療法,免疫吸着療法及び経静脈的免疫グロブリン療法を行い痙攣の頻度が減少したが,意識障害は遷延した.本患者血清を用いてラット脳の免疫染色を行ったところ,海馬神経細胞の核及び細胞質が染色され,自己免疫介在性であることが示唆された.
著者
石倉 照之 奥野 龍禎 荒木 克哉 高橋 正紀 渡部 健二 望月 秀樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000757, (Released:2015-10-28)
参考文献数
15
被引用文献数
3

症例は23歳男性である.先行感染後に強直間代性痙攣を発症し,抗てんかん薬による治療にもかかわらず,痙攣発作を繰り返した.ウイルス学的検査や抗神経抗体は検索した範囲では陰性で,原因不明であったことから,new-onset refractory status epilepticus(NORSE)と呼ばれる症候群に合致する臨床像であった.ステロイドパルス療法,免疫吸着療法及び経静脈的免疫グロブリン療法を行い痙攣の頻度が減少したが,意識障害は遷延した.本患者血清を用いてラット脳の免疫染色を行ったところ,海馬神経細胞の核及び細胞質が染色され,自己免疫介在性であることが示唆された.