著者
鈴木 啓仁 森多 浩三 三舛 正幸 高橋 真哉
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.590-596, 2003-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
19

過酸化水素 (H2O2), 次亜塩素酸 (NaClO), 亜塩素酸 (NaClO2) および過酢酸 (CH3COOOH) を用いて, 酸化剤種, 酸化pH, 添加量の違いによるゼラチン中のメチオニンおよびアルデヒドの変化について検討した. 合わせてメチオニン, アルデヒドの変化に伴う物理抑制度変化について調べた, ゼラチンの酸化によりメチオニン, アルデヒド含量は変化し, それらの変化は酸化剤種, 酸化剤添加量および処理pHにより異なることがわかつた. アルデヒドは弱い酸化にて減少し, 強い酸化にて増加する傾向にあった.アルデヒドの上昇は酸化による遊離還元糖の発生が要因の一つであると考えた. 酸化によるメチオニンの低減に伴い, 物理抑制度の上昇が認められた. この上昇の要因の一つとしてメチオニンの乳剤pAgへの影響を考えた.