著者
高橋 篤夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.112, pp.37-44, 2001-06-08

コンタクト開離時アークのガス相移行と, それに関連するアークスペクトルの観測結果を, 3種のコンタクト材料について比較・検討した. Agではメタリック相継続時間の対電流増加率の急増が移行境界と密接に関連すること, Wでは低気圧を含めてパッシュン火花曲線の最小点の右側のギャップ長で安定なガス相が形成されるとともに, 移行境界付近でイオンの平均スペクトル強度が劇的に増大すること, Pdではイオンおよび励起原子のメタリック相内における平均スペクトル強度がそれぞれある臨界値を超えることが移行境界の決定条件と考えられることを述べ, 今後の課題を明らかにした.