著者
高橋 夕佳 藤川 真樹 古澤 健治 西垣 正勝 吉沢 昌純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.534, pp.53-56, 2008-02-29
被引用文献数
3

近年、盗難された制服による犯罪が発生している。そこで我々は、その様な犯罪を防止するセキュリティシステムを開発してきた。本論文では、人体通信法による制服の脱衣の検出について考察した。この手法では、人体に対面した形で2つの電極が制服に付けられている。人体を通して流れる電流により、制服の着衣を検出できる。基礎実験として、我々は生体を通った電流の特性を計測した。その結果、制服の脱衣を検知できることを確認した。さらに、人体を通った電流は入力電流に対して位相差が生じ、その位相差が時間的に変動する事が分かった。
著者
鈴木 貴和 須原 啓一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.112, no.370, pp.21-25, 2012-12-14

スイッチングアークの電圧電流を計算するとき,アーク電圧と電極間距離及びアーク電流の関係を表すアーク電圧電流特性が必要である.パラジウム電極のアーク電圧電流特性は,C. E. GuyeとL. Zebrikoffの研究論文に電極間距離0〜2 mm,アーク電流3〜15 Aにおける測定値が残されている[1].しかし,誘導性回路のスイッチングアークを計算するには2 mm以上,3 A以下の範囲のアーク電圧電流特性が必要である.今回,パラジウム電極のアーク電圧電流特性を,電極間距離0.1〜10 mm,アーク電流5 A以下の範囲で測定した.この測定結果とGuye, Zebrikoffの測定結果は,共通する範囲(0.1〜2 mm, 3〜5 A)においてよく合っている.
著者
三浦 光 萱野 良樹 宮永 和明 井上 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.534, pp.29-32, 2008-02-29
被引用文献数
2

電気接点の開閉時に発生するアーク放電は電磁ノイズの発生源となるため,EMCは寿命,信頼性などと同様に重要な評価パラメータである.本論文では外部磁界の影響を明らかにするために,磁界印加時の銀接点低速開離1回目の最初に発生する短時間アークに着目し,電流ノイズ計測を行った.アーク継続時間と持続電圧の関係から,30mT印加時には無印加と比べてアーク継続時間が平均1桁,持続電圧が平均1V減少することを明らかにした.また最初の短時間アークの電流ノイズは継続時間が長いほど増加することが明らかとなった.
著者
本間 亘 鈴木 拓海 若月 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.46, pp.11-14, 2007-05-11

電磁リレーでは、電気接点が閉成するときに、接点の衝突現象によるバウンスが生じる。過渡電流スイッチ回路によるアーク放電抑制を前提にすれば、接点電極の消耗や転移が激減するので、バウンスの抑制方法も従来とは別なアプローチがありそうである。そこで、従来のバウンス現象を可動電極の運動に着目して、現象の解明を試みた。このバウンス原因を明らかにするため、電極接点の形状を変え、接点開閉時の電流・電圧測定に同期させて可動接点の弾性振動を光変位計で測定した。閉成時の電気的特性と光変位計による測定を対比させたところ、可動電極は、片持ちはり構造の基本共振モードのほかに、2次モードの振動が確認され、それがバウンスと関係することがわかった。
著者
三宅 正二郎 橋爪 剛 渡部 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.366, pp.25-28, 2003-10-10
被引用文献数
1

新しい固体潤滑膜を開発するため銀と金のナノ周期積層膜をRFスパッタリングで形成した。ナノインデンテーション試験によれば、ナノ周期積層膜は高硬度を示す。さらにボールオンディスク試験によると4-nm周期積層膜はμ=0.05の低摩擦を示し、銀、金単屠膜より長摩擦寿命を示す。また、摩擦による電気抵抗の変化は単層膜より著しく小さい。
著者
須原 啓一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.112, no.370, pp.1-6, 2012-12-14

アーク放電を含む電気回路の電圧電流計算には、アーク電圧電流特性が欠かせない。アーク電圧電流特性は、アーク長・アーク電流・アーク電圧の三つの関係を示すものであり、その関係は実測によって求められる。実測方法には、大別して(1)固定電極のアークを利用する方法、(2)開離電極のアークを利用する方法、がある。筆者は、(2)の方法、しかもインダクタンスを含む回路を遮断するときの開離アークを利用し、実行している。この方法によってアーク電圧電流特性を求めると、開離アークの電圧電流計算に応用するに際して、他の方法にはない有利なことがいくつかある。ここでは、この測定方法の特徴を説明し、測定例を示す。
著者
渡邉 美乃里 須原 啓一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.33-36, 2009-02-27

電気接点における、アークによる電流遮断を解析するためには、アーク電圧電流特性とアーク消滅特性が重要になる。アーク電圧電流特性については、AyrtonやHolmなどによって代表される多くの研究者による研究がある。しかし、アーク消滅特牲に関しては、Ayrtonの場合はアークが安定である電流を研究対象にしているため、消滅特性には触れていない。一方Holmの場合は最小アーク電流を提案しているが、実際はしばしば最小アーク電流とされる電流を下回って放電が観測される。本研究ではアーク放電の消滅特性を調べることを目的とし、アークが消滅する電流付近でのアーク放電継続時間を調べた。アーク電流が小さくなるにつれ、継続時間が短くなった。継続時間の平均は、最小アーク電流付近で、W電極、Cu電極、C電極が0.01〜0.1ms、Ag電極、Pd電極が0.1〜1.0msになった。
著者
兼城 千波 岸本 享太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.96, pp.61-64, 2013-06-14

本報告では,弾性を持ったマイクロスプリングアレイ(薄膜アレイ)をLSI配線技術として適用するために,スプリングプローブの作製におけるプローブの弾性を制御する方法について実験・検討した結果について述べる.成膜時におけるスパッタガス圧をコントロールすることにより,金属膜内の弾性応力に変化を持たせ,スプリングワイヤとすることができる.本報告では,スプリングプローブアレイを構成する膜の作製条件として,スパッタガス圧の変化条件および膜厚について検討した結果について述べる.スパッタ成膜時における膜中の応力分布は,スパッタガス圧と膜厚に依存している.スプリングプローブアレイを作製するためには,成膜時における内部応力差を上層部と下層部で大きくする必要がある.この応力差を利用することで,プローブの曲率を変えることができる.スプリングアレイの曲率を任意に調整できるようになれば,LSI実装用の配線技術として応用可能である.
著者
高橋 篤夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.112, pp.37-44, 2001-06-08

コンタクト開離時アークのガス相移行と, それに関連するアークスペクトルの観測結果を, 3種のコンタクト材料について比較・検討した. Agではメタリック相継続時間の対電流増加率の急増が移行境界と密接に関連すること, Wでは低気圧を含めてパッシュン火花曲線の最小点の右側のギャップ長で安定なガス相が形成されるとともに, 移行境界付近でイオンの平均スペクトル強度が劇的に増大すること, Pdではイオンおよび励起原子のメタリック相内における平均スペクトル強度がそれぞれある臨界値を超えることが移行境界の決定条件と考えられることを述べ, 今後の課題を明らかにした.
著者
相沢 友勝 花崎 健一 岡川 啓悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.361, pp.17-20, 2006-11-10
被引用文献数
4

フレキシブルプリント配線板の銅箔部分に間隙を設けて重ね,この外側を絶縁された2枚の加圧用アルミニウム薄板で挟み,これらを平板状ワンターンコイルの間に挿入固定し,コンデンサ電源からコイルにインパルス電流を急激に流す.アルミニウム薄板および銅箔には,磁束が交差し,渦電流が流れ,磁気圧力が働く.この圧力と渦電流加熱により,重ねた銅箔は互いに衝突し圧接され得る.コンデンサ電源のエネルギーを1.2kJ以下に選び,銅箔部分を圧接できた.この新しい配線板銅箔圧接法の原理,方法および実験結果について述べる.
著者
伊藤 貞則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.434, pp.65-68, 2009-02-13
被引用文献数
1

欧州指令で臭素への規制が始まっている。その対応として欧州で採用されている赤りん系難燃剤の日本を含めた東南アジアにおける適応性について検討した。結果は高温多湿下で絶縁劣化のほかに接点腐食や付着による接触不良を起こしやすいので使用方法の制限が必要といえる。
著者
漁淵 弘樹 軽部 紘典 鈴木 篤人 小森谷 哲哉 森田 登 上野 貴博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.57-60, 2009-02-27

電気摺動接触機構は,静止物体から移動物体(回転物体)への電流通電を行なう機構である.そこには機械的に接触する真実接触面が存在し,例えば,モーターの整流子とブラシ間に存在している.しかし,現在においても接触点の解明はされていないのが現状である.そこで本研究では,接触面の発熱および応力による変形に着目し静止状態における実験と解析を行なうことで接触現象解明のアプローチを目的とした.
著者
土屋 隆 横山 和也 小林 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.578, pp.7-13, 2000-01-21

各種メータ等の検針システム内で使用されるリードスイッチの磁石のバックラッシュに起因する誤作動を改善するために、感動値15AT以上において感動値と開放値との差(PI-DO)が5.5AT以上となるワイドディファレンシャルタイプのリードスイッチ設計を行った。 現在量産されている汎用型リードスイッチの寸法を基に、バネ部の厚さ、接点部の厚さ、オーバラップ、及び接点メッキ厚さについてシミュレーションを行った。その結果、開発目標を満足するリードスイッチの設計ができた。
著者
越後 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.138, pp.53-58, 2011-07-08
参考文献数
9

東日本大地震の起きた2011年3月11日から1ヶ月後の4月12日早朝に、佐藤利三郎先生(東北大学名誉教授・東北学院大学名誉教授)が逝去されました。9月には満90歳を迎えるところでした。心より哀悼の意を表します。先生は、環境電磁工学研究専門委員会を創設された方で、個人的にも、長く御指導いただきました。懸案の放射メカニズムについて直前までご検討されておられたと伺っております。残念でなりませんが、ご教示いただいたことを思い起こしつつ、先生のご遺志を確かめ、ご冥福をお祈り致したく、筆を取らせていただきました。
著者
青木 武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.457, pp.23-28, 2008-01-18

本報告はIECの最近の動きおよびIEC/TC94(制御用、通信用リレー等オールオアナッスィングリレー)の最近の国際標準化活動の概要を次の点に着目し、まとめたものである。1)IECにおける欧州の戦略と我が国への影響2)IEC/TC94における新規提案/改定規格(リレーの基本規格、パワーリードリレー等)の審議状況3)IEC/TC94の今後の課題また、日本が国際競争に打ち克つには、国際標準化への参画が極めて重要であること、人材の育成ならびにエキスパートとして長期に亘り活動できる場の作成が急務であることについて本報告を通じてアピールした。
著者
木村 公太 吉沢 昌純 守屋 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.694, pp.25-28, 2004-02-27
参考文献数
2
被引用文献数
1

カプセル入り生体試料の音響インピーダンスを画像化する手法について述べた。生体試料はガラスにより保護されている。石英棒センサはカップラーとしての水を介してカプセルの表面に接触される。センサとカプセルの距離を変化させると干渉パターンが変化する。バッキング材として,空気とタングステンのそれぞれに対する干渉パターンより音響インピーダンスは求められる。試料として,カプセルに封入された豚バラ肉の音響インピーダンスを画像化し,本手法の有効性を確認した。
著者
石田 広幸 渡辺 義智 谷口 正成 高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.15, pp.5-9, 2003-04-11
参考文献数
8

微小ステップ的開離システムは,接点ギャップをステップ的(約0.5μm/ステップ)に増やすことができる。接点ギャップに形成されるブリッジが熱平衡に近づいた状態から次のステップ的開離が始まるので,ブリッジ現象を詳細に調べることができると期待できる。本論文では,加熱器によってAg接点とPd接点を暖めて,接点をステップ的に開離して,接触電圧波形を観察する。陰極を加熱して,温度を高くしたことが接触電圧波形に影響を及ぼした。接触電圧がステップ的開離に同期せずに凸形に変化する波形が室温下ではみられたが,陰極加熱によって抑制された。
著者
戸次 一夫 山本 太朗 沢 孝一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.95, no.51, pp.25-30, 1995-05-19
被引用文献数
5

この研究の目的は、いくつかの液体誘電体中における開離時アークの基本特性を調査、報告し、液体がアークにどのような影響を及ぼすのかを論じることである。本報ではアーク放電、ブリッジ現象、接点表面形態について明らかになったことを報告する。誘導性負荷回路(L=20mH、負荷電流0.8A)を用いて銅対銅の開閉接点試験を行った結果、蒸留水、メタノール中で間欠アークが観測された。また、沃素デンプン反応試験によりO^-あるいはOH^-の発生が確認された。n-ヘキサン、ガソリン中では定常アークが発生し、試験後の表面はCで覆われているものの、極めて滑らかであった。この原因として、定常アークの放電柱がCのために激しく移動していることが考えられる。
著者
岩野 真一 長瀬 亮 金山 和則 安東 泰博 加藤 邦治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.27-32, 1994-04-15
被引用文献数
2

装置実装用の光コネクタの小形化・高密度化、および装置内の実装心数の多端子化が要求されている。本報告では光コネクタの小形化を検討する上で重要となるフェルールの細径化について、装置構成条件を考慮して検討した結果を述べる。さらに検討の結果、高密度実装用光コネクタのフェルール径としてφ1.25mmを採用し、φ1.25mm細径フェルールを基本要素とする高密度、多心実装装置用のMU形光コネクタシステムを開発した。本システムはプラグイン光コネクタ、アダプタタイプの装置実装用光コネクタ、治工具類とから構成される。本報告では、このMU形光コネクタシステムの構成、特性等についても述べる。
著者
岩井 邦昭 広中 清一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.366, pp.11-16, 2003-10-10

強磁性体のすべり摩耗に関するトライボロジー特性について, 摩擦面に作用する磁界の磁束密度と炭素鋼の同種組合せのすべり摩耗試験を行い, 誘起電圧調整法を併用した制御について検討した. 摩耗は磁界中で著しく減少し, 磁束密度の増加とともに減少し, 誘起電圧調整を併せて行うとさらに減少する. X線マイクロアナライザによる面・線分折から, 磁界中で誘起電圧を調整した摩擦面には酸化物が形成され, 摩耗はマイルドになることを示した.