著者
高橋 紀代子 稲垣 洋子 戸田 和子 藤原 邦達
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.33-37, 1965

O社製ガス熱蔵庫53-010型につき, 格納試料中の細菌の消長を試料の容量, およびその他各種の要因について検討し, つぎの結論を得た.<BR>1. 格納する試料の容量によって菌の死滅時期は異なる.<BR>2. 大容量の場合, 最初まず菌は増殖を示し (格納後点火された場合1時間に約5倍), 以後次第に死滅の経過をとる.<BR>3. 牛乳中の生菌数についても同様である.<BR>4. ガス供給停止の時期によっては熱蔵庫はむしろフ卵器ようの作用を示す.<BR>したがってなお食品衛生学的に問題が残されており, 今後の改良が望まれる. 現在の型式による場合一般に食品格納と点火の時期, 食品の取りだし時期ならびに熱供給の停止時期について十分注意する必要がある.