著者
高橋B. 徹
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.2, pp.59-63, 2021-07-03 (Released:2021-07-05)

大学でのキャリア教育において自己分析と業界・企業分析を深めさせることは新卒の離職率を抑える上で重要である.一方で,キャリアに対する前向きな態度も離職率を抑える上で寄与すると考えられる.本稿ではそれらが就職後の就職先への満足度にどの程度相関があるかの調査を行った.調査の結果,自己分析や業界・企業分析やキャリアに対する前向きな態度と就職先への満足度に相関が認められた.一方で,キャリアに対する前向きな態度があっても,自己分析や業界・企業分析ほど満足度には結び付かないことも分かった.また,そもそもキャリアに対して前向きな態度を持つものほど自己分析と業界・企業分析をしていることが明らかになった.
著者
高橋 B. 徹
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 = Bulletin of Jissen Women's University Faculty of Human Life Sciences (ISSN:24336645)
巻号頁・発行日
no.58, pp.31-40, 2021-03-19

大学生は研究活動を通じて問題解決能力や批判的思考力を身につけることができる。研究活動には専門知識や研究プロセスのスキルが必要になる.しかし,研究初心者は研究プロセスを理解していないことが多い.特に研究プロセスにおける問題発見の重要さを理解していない.本稿では,研究プロセスと問題発見の重要さを理解させるためのPBL を提案する.これは,学習者の研究プロセスの進行を支援しながら進めることで,学習者が研究プロセススキルを身につけることを目的としている。学習者は目標と現状を考えるためにカードソート法を用いる.問題発見にはなぜなぜ分析シートを使用する。解決策の策定には、問題解決マトリックスシートを使用する.評価の設定にはカードソート法を用いる.その結果、実験参加者の86%が研究活動を理解することができた。また、目標と現状の設定や解決策の策定に失敗することを抑えることができた.また、実験参加者は問題発見の意義についても理解した.一方で、問題発見すること自体や評価方法の設定には失敗している.