著者
高泉 佳苗 原田 和弘 中村 好男
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.197-205, 2013 (Released:2014-09-05)
参考文献数
27
被引用文献数
2

目的:本研究は,健康的な食行動と身体活動を促進するための情報発信において,有用なチャネルを明らかとするために,健康情報源と食行動および身体活動との関連性を検討することを目的とした.方法:社会調査会社の登録モニター898名(平均年齢41.5歳)を対象とし,インターネットによる横断調査を実施した.調査項目は,独立変数として健康情報源,従属変数として食行動および身体活動を調査した.健康情報源と食行動および身体活動との関連は,ロジスティック回帰分析を用い,年齢階層,最終学歴,世帯収入,同居人数を調整して検討した.解析は男女別に行った.結果:「朝食を食べている」という食行動と関連していた健康情報源は,男性において雑誌(OR=1.70,95%CI=1.01-2.86)および家族(OR=1.98,95%CI=1.05-3.73)であった.「バランスの良い食事を食べている」と関連していた健康情報源は,女性において新聞(OR=1.68,95%CI=1.04-2.71)と家族(OR=2.40,95%CI=1.35-4.27)であった.23 Ex(エクササイズ)/週以上の身体活動と関連していた健康情報源は,男性において雑誌(OR=1.77,95%CI=1.07-2.95)とインターネット(OR=1.55,95%CI=1.03-2.35)であった.結論:本研究で得られた結果から,1)食行動の促進に有用なチャネルは,男性では家族と雑誌,女性では家族と新聞であること,2)男性における身体活動の促進には雑誌およびインターネットからの健康情報が有用であることが示唆された.