著者
高濱 徹行 阪井 節子 磯道 義典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.1297-1306, 2001-09-01
被引用文献数
2

本研究では, 変異遺伝子を積極的に利用した遺伝的アルゴリズムであるMGGAを提案する.変異遺伝子を有する個体では, その遺伝子に対応する形質の発現が不完全になったり, 発現しなくなるなどの現象が起きる.MGGAでは, 遺伝子型を表現型に変換する変換関数に変異遺伝子の影響を与えることにより, これらの現象を実現する.更に, 正常な遺伝子から変異遺伝子への不可逆的な変化を導入することにより有効性の低い遺伝子を削減する機能を実現する.この機能をもつMGGAを多項式モデル及び階層型ニューラルネットワークにおけるパラメータ構造決定に用いることにより, MGGAがパラメータ数を削減できる汎用的な方法であることを示す.
著者
高濱 徹行 阪井 節子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.198-207, 2003-04-01
被引用文献数
1

与えられた制約のもとで目的関数を最小にするような解を求める制約付き最適化問題は,実問題に頻繁に出現する重要な最適化問題である.近年,遺伝的アルゴリズム(GA)を利用した制約付き最適化に関する研究も盛んに行われるようになってきており,既存の方法と比較しても遜(そん)色のない結果が得られるようになってきている.本研究では,α制約法をGAと組み合わせたα制約遺伝的アルゴリズム(αGA)を提案する.α制約法は,制約を満足する度合を表現する制約満足度を導入し,通常の大小関係の代わりに制約満足度を優先した大小関係であるαレベル比較を定義し,通常の比較の代わりにαレベル比較を用いて探索することにより,制約付きの問題を制約のない問題に変換する方法である.α制約法を適用したαGAでは,制約を満足しない個体は制約を満足するように,制約を満足した個体は目的関数値を最適化するように自然に進化する.本論文では,線形計画問題,非線形計画問題,非凸非線形制約など様々な種類のテスト問題について,GAによる制約付き最適化手法の中で有効性がよく知られているGENOCOP5.0などと比較することにより,αGAの有効性を示す.