著者
高瀬 恵子 吉留 厚子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Japanese Lournal of Maternal Health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.138-142, 2006-04-01
参考文献数
13

わが国では,看護学・助産学の成書および一般の育児書のなかで,哺乳瓶消毒に関して煮沸消毒,次亜塩素酸ソーダによる消毒が多く紹介されている。一方,アメリカでの哺乳瓶の取り扱いは,われわれの使用する食器と同様でよいとしている。今回の研究では簡便な消毒・洗浄方法を検索するために,電気ポットの温湯,電子レンジ,食器用洗剤による哺乳瓶の消毒・洗浄の効果を検討した。方法は,E. coli, B. subtilisを付着した哺乳瓶を電気ポットの温湯消毒(設定温度98℃,90℃,60℃),電子レンジ消毒(5分間,3分間),食器用洗剤での洗浄,ブラシのみの洗浄を行った。洗浄・消毒したのち,菌液を回収し,培養して菌濃度の推定を行った。結果,E. coli,B. subtilisでは98℃・90℃の温湯,5分間・3分間の電子レンジ,E. coliは食器用洗剤での洗浄で菌数は検出不可能であった。温湯消毒,3分間の電子レンジ消毒,食器洗い用洗剤での洗浄はいずれも有効であることが明らかになった。
著者
高瀬 恵子 吉留 厚子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.134-137, 2006-04

わが国では,看護学・助産学の成書および一般の育児書のなかで,哺乳瓶消毒に関して煮沸消毒,次亜塩素酸ソーダによる消毒が多く紹介されている。一方,アメリカでの哺乳瓶の取り扱いは,われわれの使用する食器と同様でよいとしている。今回,家庭における哺乳瓶消毒方法の実態を明らかにし,哺乳瓶消毒と児の消化管疾患との関連性を検討することを目的として調査を行った。対象者は産後1ヵ月健診を受けた母親72名で,調査項目は児の健康状態,栄養方法,哺乳瓶消毒方法など12項目であった。結果,栄養方法は72名中,母乳栄養22名(30.6%),混合栄養が48名(66.7%),人工栄養が2名(2.8%)で,消毒方法は複数回答で50名中,電子レンジは23名(46.9%),煮沸消毒は14名(28.6%),ミルトンが14名(28.6%)であった。湯を満たすは4名(8.2%),特に何もしないは1名(2%)であった。単独の方法は44名,併用は6名であった。以上より98%の母親が成書に記載され,病院で指導されている方法を遵守していることが明らかになった。消毒方法が原因と考えられる児の疾患は認められなかった。